つっ走ろうとする人のこころもちでは、同じ白いラインもゴールとしてのラインと、スタートとしてのラインと、二つの意味をもっ
ている。人のこころの姿勢で、同じ一瞬間、すなわちこの「今」でも、二つの調子、リズムとなるわけである。民族の精神の調子が
違ってしまうと、その取り扱いかたが違ってくる。
同じ地平線も、重さを耐えて、耐えきったはての最後の線、ゴールラインとして、ギリシャ人は考えているし、ヘブライ人は、出
発の水平、スタートラインとして取り扱っているわけである。立っている自分がもどかしく、建築と共に、あの天の中にのぼりたい
と、憧れの魂の調子の中にいるのである。概して、歴史が、進歩するものだと考えている考えかたは後者の魂の調子の太鼓をうって
いるこころのリズムをもつものである。