ては本末転倒ということになります。皆さんがおもしろいと感じたその
心の状態を、一番の土台にすべきです。その心があればこそ、皆さんを
II
おもしろいと感動させた事物が有意義なものとなり、歌の材料となるの
です。目に入って来たものを初めから歌の材料と思っては間違~のです
ただし、ここで感動というのは少し大げさな語感があって、圧迫
を感じるかもしれませんが、皆さんの心に感じたことは「たとえど
んなに小さなことでも、すぐ消えてなくなりそうなはかないもので
I
言
もいいのです。感動というのは、時には大きな感激もあるでしょう
だいたいは日常生活の中で心にぴんとはっきり感じたもの、皆
て、
(さんの心を感じ動かさせたものと理解しておけばいいと思います。
あめ
かぐ やま
かすみ
とい
ひさかたの天の香具山このゆべ霞 たなびく春立つらしも
かきのもとのひとまろ か しゅう
まし
柿本人鷹歌集」
こなし
この歌の作者、需日ごろ大和の国の天の香具山の近くに住んでいて、
朝夕山を眺めている人だったのですが、ある日の夕暮、山に霞のたなび
いているのを見とめたのです。ぞれと同時に、待っていた春がいよいよ
Sので