1 古典②
<栃木改〉
⑥ 次の文章は、聖人(優れた僧)と盗人についての話です。これを
読んで、後の問いに答えなさい。
この人、そのかみ、本と言ふ所に住み侍りけるころ、木拾ひに谷
下りける間に、盗人入りにけり。 僅かなる物ども皆取って遠く逃げ
A-
ぬ、と思うてかへり見れば、もとの処なり。 「いとあやし。」と思ひて、
「行くぞ。」と思ふ程に、二時ばかり、彼の水飲の湯屋をめぐりて、更
にほかへ去らず。
これ
その時に、帰り来て、あやしみで問ふ。答へて言ふやう、「我は盗人
り、しかるに、遠く逃げ去りぬと思へども、すべて行く事をえず。是
だ事に非ず。今に至りては、物を返し侍らん。 願はくは許し給へ。ま
帰り帰りなむと言ふ。聖のいはく、「なじかは、罪深くかかる物をば取
らむとする。ただ欲しう思うてこそは取りつらん。更に返しうべから
ず。それなしとも、 我、事かくまじ。」と言ひて、盗人に猶取らせてや
行ける。おほかた、心にあはれみ深くぞあり ③ <「発心集」より>
二時ばかり=約四時間。
の意味直後の人の行動からも考えよう!
(⑩⑥ 「更に返しうべからず。 それなしとも、 我、事かくまじ。」
の意味として最も適切なものを次から一つ選び、記号で答
全く返す必要はない。 返
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※基本問題 ≫≫≫≫≫≫
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[主語 会話文の中にある言葉の主語に注意しよう!
一線ア~エのうち、主語に当たる人物が他と異なるものを一
び、記号で答えなさい。
会話文 会話を示す言葉を探そう!
」を付けることのできる部
この文章中には、もう一か所
ります。その部分を抜き出し、初めと終わりの五字を書きなさ
助詞の補充 文脈を捉えよう!
一線① 「盗人」、②「物ども」の後に補うことのできる
それぞれ平仮名一字で書きなさい。
内容理解 直前の内容を捉えよう!
50
一線③ 「いとあやし。」とありますが、盗人が不思議だ
のは、どのようなことですか。 二十五字以内で書きなさい。
・考え方のヒント
主語
3
「