295 ベンゼン環の結合エネルギー ベンゼン (CH)では, 6個の炭素原子が結合して
正六角形の平面の環を形成している。 その炭素原子間の結合はすべて同等である。 ベンゼ
ンの炭素原子間の結合エネルギーは,通常の炭素原子間の二重結合(C=C二重結合)や単
結合 (C-C単結合)と比べるとどのような大きさであろうか。 実際のベンゼン (ここでは実
在ベンゼンとよぶ) と,次のような仮想ベンゼンとを比較することによって考察してみよう。
仮想ベンゼンとは, 「6個の炭素原子が結合して正六角形の平面の環を形成しているが,
その炭素原子間の結合エネルギーはC=C二重結合とC-C単結合のちょうど中間の値
(二つの結合エネルギーの平均値)である」 と, 仮定したものである。 ただし, C-H単
結合の結合エネルギーは, 実在ベンゼンと仮想ベンゼンとで等しいとする。
(1) C=C二重結合, C-C 単結合, C-H 単結合, H-H 単結合の結合エネルギーを,それ
ぞれe,f,g,h とする。 次の①~③をe.f,g,hのうち必要なものを用いた式で表せ。
① 仮想ベンゼン (気体) を構成する全結合の結合エネルギーの総和 X
(2) シクロヘキサン(気体) を構成する全結合の結合エネルギーの総和Y
3 仮想ベンゼン (気体) に水素分子(気
体) が付加してシクロヘキサン(気体)
になる反応の反応熱 (水素化熱) Q
(2) (1/③で求めた式に,右表に与えたe, ,
g,hの値を代入して, 仮想ベンゼン(気
体)の水素化熱 Q [kJ/mol] を計算せよ。
(3) 表に与えた各化合物の生成熱の値を
用いて, 実在ベンゼン (気体)がシクロヘキサン (気体) になる反応の反応熱 (水素化熱)
[kJ/mol] を計算せよ。
結合の種類
C=C 二重結合(e)
C-C 単結合 (f)
C-H 単結合 (g)
H-H 単結合 (h)
化合物
実在ベンゼン (気体)
シクロヘキサン (気体)
結合エネルギー [kJ/mol]
610
350
410
440
生成熱 〔kJ/mol〕
- 82
122