地では、サンタクロースという仮想の持つ切実さには届かない。サンタクロースは、決して現実化されない仮想で
あるからこそ切実である。でっぶりと太った人、橿の地球上の位置といった手で触れることのできる現実、すなわ
ち、経験科学がとらえる客観的世界の中に転化された瞬間、サンタクロースは陳腐な
近代の科学は、「今、ここ」の現実の変化をもたらす要因(因果律)を明らかにしてきた
今、ここ」に様々な形で存在する物質がどのように変化するかを予言するためには、物質の間にはたらいている
力がどのようなものであるかということを調べれば良い。ニュートンの発見した「万有引力」は、そのような力の
10である。
に変わってしまう
力は、必ず接触したものどうしの間で働くことが判っている。重力や電磁気力のように、一見離れたものどうし
が力を及ぼしあっているように見える場合にも、必ず、媒介している粒子と物質が接触するという形で力が働く。
違く離れたもの、既に過去のものになったもの、はるか未来の事柄が、「今、ここ」の現実に影響を及ぼすことは
ない。だから、「今、ここ」の現実の変化の様子を予言するためには、「今、ここ」の近くのものの様子を摺んでお
けば良い。
このような、近代の科学における大前提は、「°局所的因果律」と呼ばれる。局所的因果律を前提にして、科学
は「今、ここ」の現実が変化する際の法則を明らかにしてきたのである。
局所的因果律は、物質の変化の様子を予言したりという科学の営みや、様々な部品を組み合わせて機械をつくっ
たりという工学の営みにおいては、きわめて有効な概念になってきた
「今、ここ」の様子に、時間的にも空間的にも遠く離れたものがいきなり影響を及ぼしてしまっては、安心して予
言はできない。氷を暖めると水になるという現象が、「今、ここ」の因果律の働き合いだけで決まるからこそ、安
心して相転移の理論をつくることができる。「今、ここ」で氷を暖めたら果たして水になるかどうかが、一千年前一