次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。(字数制限のある問題では、句読点、記号も一字と数えなさい。)
こうした誤解に基づく「物語」は、人間の社会にも悲劇をもたらす。何気ない行為が誤解され、それがうわさ
話として人から人へ伝わるうちに誇張されて、周りに嫌われてしまうことがある。まだ、同じ言葉で話し合い、
誤解を解くことができる間柄なら、大きな悲劇に発展することを抑えることができる。
う民族の間では、誤解が修復されないまま「物語」が独り歩きをして敵対意識を増幅しかねない。私がゴリラの
調査で足を踏み入れるルワンダやコンゴなどでもフンソウが絶えず、即肌で戦いを感じる機会が何度もあった。今
でも世界各地で争いや衝突が絶えないのは、互いに相手を悪として自分たちに都合のよい「物語」を作りあげ、
それを世代間で継承し、果てしない戦いの心を抱き続けるからだ。どちらの側にいる人間も、その「物語」を真
に受け、反対側に立って自分たちを眺めてみることをしない。
アフリカの森で暮らすゴリラの調査を通じて、私は人間の、自然や動物、
解に満ちているかを知ることができた。その誤解を解くためには、相手の立場に立って、一つ一つの行動にどん
な意味があるかを考えることが必要である。人から伝え聞いた「物語」と実際に自分が向かい合っている現象と
を照らし合わせ、これまでの常識を疑ってみる態度も必要となる。「物語」によって作られた常識の陰に、しい
たげられている生き物や人間がいないか、意味を取り違えてハイジョしていることがないか、思いを巡らすこと
が大切だと思う。
ドラミングが戦いの宣言だという「物語」の誤解を超えた先には、「ゴリラが人間とは別の表現を用いて平和一
を保っている」という私にとって新しい価値をもつ豊かな世界が広がっていた。体の仕組みや能力の違う動物の
視点に立つためには、その動物が暮らしている自然をよく知ることが必要になる。同じように、この地球に生き
るさまざまな人々に起きている「物語」の真実を知るためには、その人々が暮らしている文化や社会をよく理解
することが必要であろう。
言葉や文化の違
B_人間自身を見る目がいかに誤
〈山極寿一「作られた「物語』を超えて」より〉
=線の~③の漢字には読みがなをつけ、かたかなは漢字に直しなさい。
~線a~d「ない」のうち、
日
【豆)
つだけ