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国語 中学生

お話の最後の◻️には何が入りますか?教えてください。

鉄筋コンクリート三階建ての校舎は、そのころモダンで明るく健康的といわれていたが、像にとってはそれは、いつも暗く、重一 苦しく、陰気な感じのする建物であった 僕の行っていた中学校は九段の第国神社の隣にある。 僕は、全くとりえのない生徒であった。成績は悪いが絵や作文にはずば抜けたところがあるとか、模型飛行機や電気機関車の作 り方に長じているとか、ラッパかハーモニカがうまく吹けるとか、そんな特技らしいものは何一つなく、なかでも運動ときたら学 業以上の苦手だった。野球、テニス、水泳、鉄棒、などもだが、マラソンのように不器用でも誠実に頑張りさえすればなんとかな る競技でも、中途で休んで落伍してしまう。体操の時間にバスケットボールの試合でもあると、僕は最初からチームの外の四人の 邪魔にならぬよう、飛んでくる球をよけながら、両手をむやみに振り回して、「ドンマイ、ドンマイ。」などと、訳も分からず叫ん で、どかどかコートの周りを駆け回っていた。おまけに僕は、全く人好きのしないやつであった。地下室の食堂で、全校生徒が黒 い長いテーブルについて食事するとき、僕は独りでだれよりも先に、お汁の実のいちばんいいところをさらってしまう、そんなと きだけはだれよりもすばしこくなる性質だった。そのくせ食べ方は遅くてきたなく、ソースのついたキャベツの切れ端や飯粒など を担任の先生に調べられるのだが、他の連中は、たばこの粉や、喫茶店のマッチや、けんかの武器になる竹刀のつばを削った道具」 や、そんなもののか見つかりはしないかと心配するのに、僕ときたら同じびくびくするのでも、全く種が違うのだ。僕のポケット からは、折れた鉛筆や零点の数学の答案に交じって、チョークのでよごれた古靴下、パンの食いかけ、鼻くそだらけのハンカチ、 そういった種類の思いがけないものばかりが、ひょいひょいととび出して、担任の清川先生や僕自身を驚かせるのだ そんなとき、清川先生はもう怒りもせず、分厚い眼鏡の奥から冷たい目つきでじっと僕の顔を見る。すると僕は、悔しい気持ち にも、 悲しい気持ちにも、なることができず、ただ心の中をからっぽにしたくなって、目をそらせながら、(まあいいや、どうだっ て。)と、つぶやいてみるのである。 教室でも僕は、他の予習をしてこなかった生徒のようにそわそわと不安がりはしなかった。どうせ僕に当てたってできっこない と思っているので、先生は、めったに僕に指名したりはしない。しかし、たまに当てられると僕は必ず立たされた。教室にいては 邪魔だというわけか、しばしば廊下に出されて立たされることもあった。けれども僕は、教室の中にいるよりは、かえってだれも いない廊下に一人で出ているほうが好きだった。たまたまドアの内側で、先生がおもしろい冗談でも言っているのか、級友たちの一 「わっ」という笑い声の上がったりするのが気になることはあったけれど……。そんなとき、僕は窓の外に目をやって、やっぱり、 (まあいいや、どうだって。)と、つぶやいていた。 校庭は、一周四百メートルのトラックでいっぱいになって。樹木は一本も生えていなかったが、「小路」を一つ隔てた靖国神社の一 木立が見えた。朝、遅刻しそうになりながら人通りのないその「小路」を、急ぎ足に横切ろうとすると不意に、冷たい、甘いにお いがして、足下に黄色い粒々のくりの花が散っていた。 春と秋、靖国神社のお祭りがくると、辺りの様子は一変する。どこからともなく丸太の材木が運び込まれて、あちらこちら積み 上げてあるが、それが一日のうちに組み上げられて境内全体が大小さまざまの天幕の布に覆われてしまう。それは僕らにとって「休 み」のやってくる前ぶれだ。やがて、オートパイの曲乗りゃ、楽隊の音や、少女の合唱や、客を呼ぶ声が、参詣人の雑踏に交じっ て毎日、絶え間なく響き、それらの物音が、土ぼこりにまじった食べ物のにおいの漂う風に送られてくると、校庭で叫ぶ教官の号 令の声さえ闘き取れなくなってしまうのだ。そして、教室の校庭に面するすべての窓からは、そうしたテントの街の裏側をすっか り見渡すことができたのである。 いつか僕は、目立って大きいサーカス団のテントの陰に、一匹の赤茶色い馬がつながれているのを目に止めた。それは肋骨が透一 けて見えるほどやせた馬だった。年取っていれらしく、毛並みにもつやがなかった。けれどもその馬の一層大きな特徴は、背骨の一 ちょうどくらの当たる部分がたいそう湾曲してへこんでいることだった。一体、どうしてそんなに背骨がヘこんでしまうことにな ったのか、僕には見当もつかなかったが、それはみるからに、痛々しかった。 自分一人、廊下に立たされている僕に、その馬について、いろいろに考えることが好きになった。彼はたぶん、僕のように怠けて 何もできないものだから、曲馬団の親方にひどく殴られたのだろうか。殴った後で親方はきっと、死にそうになった自分の馬を見一 てびっくりしたに違いない。それで、ああやっと殺しもできないで毎年連れてきては、御客の目につかない裏の方へないでおくの一 0う。……そんなことを考えていると僕は黙ってときどき自分のつながれたくりの木のこずえの葉を、首を上げて食いちぎった」 りしているその馬が、やっぱり、(まあいいや、どうだって。)と、つぶやいているような気がした。 僕はまた、あの不良少年というものでさえなかった。朝礼の後などに、ときどき服装検査というものが行われ、ポケットの中身 が僕の立った跡にはいちばん多く残っていた。

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公民 中学生

裁判官役をやるのですが裁判官は喋りますか? 台本を見たところ喋らなそうなのですが… 又台本11と台本12は裁判官役は読み上げないですよね

通2-06 通2-06 【検察官役に、補助資料3【通4-03】のうちナイフを渡す) 【検察官役は,補助資料3【通4-03】のうちナイフを証人に示す】 このナイフに見覚えはありますか。 その時,犯人が持っていたものによく似ています。 ナイフ全体は少し丸み がかった形をしていて、先はとがっていました。長さもこのくらいでした。 あなたは、ナイフを突きつけられて、 どうしたのですか。 レジを開けて、中から千円札を取り出して、 7千円を犯人に渡しました。 まず千円札だけ渡したのはなぜですか。 できるだけお金は渡したくなかったので、 まず, レジを開けたところに入っ ていた千円札だけを渡しました。 犯人は,その千円札をどうしましたか。 裁判官 ステイドに終 年 組名前 検察官 【 台本6 】 (証人(被害者 B )尋間シナリオ) B 裁判長 B さんから、証人として話を聞きます。 検察官 6には嘘を言わないという宣誓をしてもらいます。 宣警書を読み上げてください。 証人役は補助資料通4-05)を手に持って銀談) 良心に従って真実を述べ, なにごとも隠さず、 偽りを述べないことを誓いま 検察官 B す。 検察官 いま宣誓してもらったとおり、 質問には記憶のとおり答えてください。 わざと嘘を言うと、 「偽証罪(ぎしょうざい)」 という罪で処罰されることがあり 裁判長 B ナイフを持っていない方の手で千円札を受け取り、 ウインドブレーカーのポ ケットに押し込みました。 ます。 検察官 犯人は、黙って受け取ったのですか。 では、検察官どうぞ。 いいえ、「もっとあるだろう。」と言いました。 検察官 検察官O○(名前)からお聞きします。 そのあと、あなたはどうしましたか。 レジのトレイの下には,1万円札が10枚, 東ねて入っていたので, それを もくもく 検察官 あなたは、11月4日深夜1時ころ, 楽楽コンピニエンスストア店内のカウ ンターの中で店員として仕事をしていたときに、強盗にあいましたね。 出して、犯人に渡しました。 B はい。 犯人は、受け取った10万円をどうしましたか。 ウインドブレーカーのポケットに入れました。 そのあと、犯人は, どうしましたか。 犯人は、ナイフをこちらに向けたまま, 後ずさりをするように、 私から遠ざ かって、店の出入り口付近で、 バッと私に背中を向け、外に走って出て行き 検察官 犯人は、どのような服装をしていましたか。 黒っぽいウインドブレーカーみたいな上着を着て、 黒っぽいズボンをはい 検察官 B B 検察官 た男でした。 犯人の顔は見えましたか。 スキー帽をかぶって, サングラスとマスクをつけていたので、 最初は, 顔は 見えませんでした。 甲第1号証のスキー帽を示します。 【検察官役に、補助資料3【通4-03】のうちスキー帽を渡す】 【検察官役は、補助資料3【通4-03】のうちスキー帽を示す】 このスキー帽に見覚えはありますか。 その時、犯人がかぶっていた物によく似ています。 甲第2号証のサングラスを示します。 【検察官役に、補助資料3【通4-03】のうちサングラスを渡す) 【検察官役は、補助資料3【通4-03】のうちサングラスを証人に示す) このサングラスに見覚えはありますか。 検察官 B ました。 検察官 検察官 あなたは、どうしましたか。 裁判官 B そっと犯人の後をつけました。 検察官 スライド味す 検察官 どうしてですか。 すきを見て犯人を捕まえてお金を取り戻したかったし、 捕まえられなくて も、犯人が逃げる方向を確認したいと思ったからです。 あなたが店の外に出ようとしたとき、犯人はどうしていましたか。 私が店の出入ロのガラスドア越しに外を見ると、店のすぐ外で. 犯人がナ イフを腰のあたりにしまうような仕草をしていました。 それであなたはどうしたのですか。 私は、店の外に飛び出して、「ちょっと待て。」 と言いながら、 犯人の背後か ら、手を伸ばし、 犯人のウインドブレーカーの腕のあたりをつかみました。 あなたが腕をつかむと、犯人はどうしましたか。 びっくりした様子で、 「はなせ, ばかやろう。」 と言いながら、私を振り払おう としてきたので、 私ともみあいになりました。 B 検察官 検察官 裁判官 検察官 スクイドに味す 検察官 B その時、犯人が掛けていたものによく似ています。 検察官 犯人は、店に入ってきて、 どうしましたか。 まっすぐカウンターの方にやってきて, いきなりナイフの刃先を私に向け、 検察官 「金を出せ。」と言いました。 検察官 甲第3号証のナイフを示します。

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現代文 高校生

Q本文中のアラベスクの意味とは? ①神秘的な雰囲気をたたえた装飾 ②幾何学的に組み合わせられた模様 ③視覚的効果を計算した多彩な色彩 ④意味をはぎ取られたむき出しのもの ⑤脈絡のない細部を縫い合わせた布地 という選択肢で②と⑤で迷って⑤を選択してしまったのですが、答えは②... 続きを読む

121 スージ LのE伝統においてはほとんどの場合、身体は「物体」(bodylcorps)の一つとして、「心」や「精神」 (mind/esprit)と ]わたしの身体は、わたしが見、触れることのできる物的対象の一つである。それは物体としての密」 悩されてきた。[a LAt積とをもち、叩けば音もする。それは疑いえないことで、【 b 】西洋の科学の歴史のなかでは長らく、身体はもっぱ 後室)のモデルに沿って医学や生理学の対象として分析されてきた。【 c ]、あらためて考えると、人の身体は物体とし しは知覚情報があまりにも乏しい。具体的にいうと、たとえば見える部分は全体の半分にも満たない。後頭部や背中はどうあが しても絶対じかには見ることができない。つまり、〈わたし〉の身体はわたしにはトータルには不可視なものであり、〈像〉と インヴィジプル してしか体験できないのである。わたしの身体はそれなしに〈わたし〉のありえないもの、というか〈わたし》自身でもあるの それ全体から当のわたしは遠く隔てられているという事態がここにはある。「各人は各自にもっとも遠い者である」とかつ (にー) てニーチェは書いていたが、この言葉は身体にこそよく当てはまる。 この点について、いますこしタンネンに見ておこう。 じぶんの身体というものは、だれもがじぶんのもっとも近くにあるものだとおもっている。たとえばホウチョウで切った傷の Sはわたしだけが感じるもので、他人は頭でわかっても、わたしの代わりに痛んでくれるわけではない。その意味で、わたし わたしの身体であるといいうるほどに、わたしはまちがいなくわたしの身体の近くにありそうである。ところが、よく考え 。おたしがじぶんの身体についてもっている情報は、ふつう想像しているよりもはるかに貧弱なものだ。身体の全表面のう い、ましてや他人がこのわたしをわたしとして認知してくれるその顔は、終生見ることができない。そして難儀なこと 97 んで見える部分というのは、ごく限られている。だれもじぶんの身体の内部はもちろん、背中や後頭部でさえじがに見た

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英語 高校生

教えてほしいです!!お願いします!!

問題は【1】~【4】まである。答えは各問題の指示に従って別紙の解答用紙に書きなさい。 【1】次の英文を読んで設問に答えなさい。 Headaches are a big problem. Each year, millions of people suffer from severe headaches that affect their enjoyment of life, (1) not to mention their productivity at work. estimate, headaches cost individuals and businesses more than (2) $50 billion each year! (3) This is one of the reasons research into headaches has become a worldwide effort. Although he did not know much about how headaches work, Hippocrates was the first doctor to find a way to treat them. By 400 BC, Hippocrates had discovered that the *bark from willow trees was useful in treating pain. He made a white powder from the tree's bark and gave it to his patients. Hippocrates did not know it, but he was actually prescribing a natural chemical in willow bark called salicin. Whena person eats salicin, the chemical is changed inside his or her body into (4) salicylic acid. It turns out that salicylic acid is good for stopping pain, including headache pain, but it is bad for a person's stomach. In the 1800s, a chemist in Germany slightly changed easier for people to take. commonly known as aspirin. Aspirin was used throughout most of the 1900s to treat headaches, but doctors had little idea about what really caused headaches. When doctors can *diagnose the cause of a disease, they can find better ways to treat it. Therefore, as medical technology developed, doctors began to use it to learn more about the human brain and about headaches. In fact, according to one m to make it This new form of the chemical was called acetylsalicylic acid, now acid's Now doctors classify headaches ( A ) two general types: primary and secondary. A primary headache is a condition ( B) as only the headache itself. one caused by another physiological condition, such as an *infection or a *tumor. For primary headaches, doctors have determined three possible causes. headache is caused by stress. characteristically felt on both sides of the head as a dull, steady pain. Another kind of primary headache is the *migraine headache. Exactly what causes these headaches is not well understood, but many experts believe it could be abnormal brain activity causing changes in the brain's chemistry and blood flow. For many people, migraines are caused by certain (5) stimuli, such as poor sleep or particular foods or smells. A sufferer usually feels intense pain on one side of the head and becomes sensitive to light and noise. If the migraine is severe, the sufferer may *vomit repeatedly. The third kind of primary headache is known as the cluster headache. Cluster headaches typically occur around the same time each day for weeks or months at a time. The person ( C)from this kind of headache usually feels pain on one side of her or his head, and the pain is centered around one of the eyes. Doctors do not know much (6) at present about cluster headaches, but they seem to be more common among men and could be related to alcohol or other things that affect a person's blood flow. Using computers and more advanced medical equipment, doctors continue to learn more about what happens in the brain before and during headaches. Especially in the case of migraines, some doctors believe they have found the part of the brain that sets off the reaction for severe attacks. With these insights into brain processes, doctors hope new ways will be discovered to stop headaches before they begin. On the other hand, a secondary headache is One kind of primary Doctors usually call these tension headaches, and they are 注: bark 樹皮 diagnose ~を診断する、~を突き止める 感染症·伝染病 migraine (headache) 偏頭痛 infection tumor 腫場 vomit 食べたものを吐く (出典:READING FOR THE REAL WORLD 3rd edition, Compass Publishing より)

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英語 高校生

答えが知りたいです!なるべく早くお願いします!!

『 く) S田さん」は中華科理屋の主人。「忌子さん」は安田さんの奥さん。「相良さん」は店の常連、信用金庫に勤めています。安田さんは相良さんに、店の改 の融貨を担当してもらって以来、二I0年親しくしています ある日の店での会話、今までの出会いやできごとなどさまざまな思いが一挙に浮かびあがり、それを描き出しています の文章は、場江敏幸の小説「ピラニア」の一節です。登場人物などを参考に、後の【A]·[B]【C]を読んで後の問いに答えな 野菜の下ごしらえをしていた妻の聴子さんが顔を出して、あら、と声をあげた。 「相良さん、シャツに染みがついてるわよ」 つられて正面に坐っている相良さんに目を落とすと、背広を脱いでネクタイもゆるめたワイシャツのボタンに沿って縦に一列、点々と 染みが連なっている。こぼしたのではなく、液体がはねてできたあとのようだ。 ずいぶん派手にやっちゃったのねえ。お昼にお満麦かなんか食べたんでしょ」 当たらずといえども、遠からずですね」 やっぱり。でも、麺は嫌いじゃなかったの?」 <] (居の中での相良さん) 五目麺と中華井は具も味も親戚みたいなものよといくらすすめても麺を食べてくれない相良さんにちくりとやって、聡子さんは芝居が かったしぐさで熱いおしぼりを渡した。最後のひと口をステンレスのスプーンで無事に食べ終えた相良さんは、いやどうもと頭を下げて そのあたらしいおしぼりを受け取り、いきなりそれで顔の汗を拭ったりはせず染みのまわりを湿らせるようにゆっくり丁寧に押しつけた が、 時間が経っているせいか丸模様が淡くなるだけでかえって薄くひろがったようにも見える。どうやらクリーニングに出すしかなさそ (1) しかし相良さんてのはおかしな人だ、と安田さんは自分のことを棚にあげて思う。人差し指を真ん中にいれておしぼりの先をと がらせ、真剣な表情で染みをつついているその格好は、のみ取りをしているオランウータンそっくりで、笑い出しそうになるのを必死に」 こらえた。髪はきちんと七三に分けて油でととのえ、ベース形の顔の下半分がいつも髭のそりたてのように青光りしている相良さんは、 おちょぼ口というのだろうか、顔に比してロもとが異様に小さく、だから口腔にもあまり余裕がないらしくて、底が真っ平らの角ばった」 レンゲではあちこちにぶつかって、うまく食べられないのだという。好物の中華井の、片栗粉でとろみのついた米粒が底面と側面のまじ 1へ わる隅っこにへばりつくと、頬の内側でそれをこそげとるには筋肉が足りず、いったん口から出して上唇で吸うようにしてやらなければ きれいに片づかない。まして麺などは勢いをつけて無理に吸いあげるので、ラーメン一杯でこめかみや首筋が痛くなるありさまだ。中華 井しか注文しないのはそういう不都合もあったからだが、すすっているときの口のすぼめ方がO茶巾みたいになるのも辛かった。レンゲ じゃなくて、スブーンをください、と頼むのが安田さんにははじめ不思議でならず、理由を問うてみると、そんな話をしてくれたのだ。 逆に、スプーンはスプーンで、料理の熱が移って舌を火傷しそうになる。だからまだ冷めていないうちは箸をつかい、器の底にたまった」 米粒をレングではなくスプーンですくい取るという手間をかけた。 [B](安田さんが聡子さんと知り合った駐車場でのできごと) 常連になった相良さんだって、勘定を済ませて帰るときに、じゃあ、とか、ごちそうさまとか言うだけで、味そのものについての感想」 を聞かせてくれたことはない。やっぱり、そこそこで止まってるんだろうな、と安田さんはまた否定的に考える。まともな味になってい ろとしたら、それはぜんぶ妻のおかげだろう。 妻と知りあったのは、見習い時代の最後にあたる時期だった。めぐりあわせの不思議というものは世に腐るほどあって、そんなにたく さん転がっているのなら不思議でもなんでもないはずなのだが、人生の転機となったあの時期を振り返ってみると、どうしても (2) 王垢 のついた言葉を借りてきたくなる。器用で野心もあった他のふたりの見習いは、ひととおりの手順を覚えると、店長が唖然とするのも気 にせずあっさり辞めて、ひとりは調理学校へ入りなおし、ひとりはもっと条件のいい店を探すために都会へ出ていった。結局、なにをや らせても駄目で、もっとも期待されていなかった安田さんだけが残ったのである。不器用はあいかわらずだが、数年かけげてそれを年季で 補いうるレベルまではどうにか力をのばし、(3) 本人の自覚とは裏腹に、だんだん料理人の顔になってきたねえと常連客から言われるよ うになったころ、店長が脳卒中でとつぜん倒れた。命は取りとめたものの利き腕がだめになり、店は安田さんののサイリョウに任された。 なんとなくこうなっただけで、俺はあいかわらずばっとしない。そういう意識をぬぐいきれない安田さんは、だから識虚だった。客から の変望や苦情には寧に耳を傾け、バイトの者が失敗してもつとめてあかるく謝罪し、いつも下手に出て嫌な空気を取n 経験が役にたっていたのかもしれない。

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