13歳の小遣い稼ぎ

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るな

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ノートテキスト

ページ1:

渚は仲のいい優樹菜と小遣い稼ぎに来ていた。
「渚、紫の佐藤錦のキーホルダー作っといて」
「はーい。 何個?」
「二十個」
紫の佐藤錦、 なんでこんなに人気なんだよ、と思いつつ
も佐藤錦の形のボトルに紫の柔らかめのダマを入れて作
り出した。
十三歳にもなってこんなことをしているなんて恥ずかし
い、と思うが、これが渚の趣味だった。
だが、 作り終えてからが問題だった。
「渚、紫の佐藤錦のキーホルダー、 五十五個作って」
「ざけんなっ!」
思わず怒鳴ってしまった。
「私に何個作らせる気? 優樹菜も作ってよ!」
「なんで? 私店番あるんだけど。 優美さんと勝二くんで
いいじゃん」
「はいはい」
昼寝をしている姉の優美と弟の勝二を起こしに行った。
「優美! 勝二! 起きなさい!」
「んもう。 何一?」
「店番しなさいよ!」
「うるさいなあ、 姉ちゃん」
「勝二もやりなさい!」
もたもたと髪をとかす優美を置いて渚たちのクレープ
屋、夏の北クレープ店に行っておたまとフライパンを持
って勝二の元に走った。
「うるさいうるさいうるさい!」

ページ2:

「この役立たずボーイ!」
それぞれの言葉を交わして部屋を出て行こうとした次の
瞬間。
ギーンゴーンガーンゴーン!
唐突の鐘の音にびっくりして後ろを振り返ると、スマホ
を持った優樹菜がいた。
「優樹菜 ...」
「勝二くん、起きてー。 優美姉ちゃん、 店番やってるよ
「はーい」
なんで優樹菜には、と思いつつも、紫の佐藤錦のキーホ
ルダーを作り出した。
「あっ...」
紫のダマがなくなってしまった。 ぼさっと立っている勝
二に財布を突きつけた。
「勝二、買ってきて」
「何を」
「紫のダマ」
「どこで売ってんだよ」
「あそこ」
「あそこってどこだよ」
「そこ」
「そこってどこだよ」
「うちの右に、ぶどう飴って書いてある旗あるでしょ。
あそこの手前」
「はーい」
ったく... と思いながら、 優美と店番を入れ替えた。
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