次の古文を読んで、後の問いに答えなさい
白河院の御時、天下、殺生禁斯せられて、自ら犯す者あれば、重科
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に当たりける比、ある山寺の僧、母の年たけて、世間貧しくして、物も
食はず煩ひけるが、魚なんどなき外は、すべて物も食はぬ癖ありけり
世間に売り買はぬ事なれば、如何にすべしとも。覚えず。思ちに母の
命~の絶えなん事、悲しく覚えけるままに、心の行くかたと、桂河にて、
取りも慣はぬ魚を取らんとする程に、然るべき事にや、少々(取り得た
るを、,官入見付けて、引き立てて、
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院の御所へ具して。参りにけり。
天下の殺生禁断、その隠れなき上、法師。の形として、製荻衣を着
ながら、この要悪行を企つる事。返々不思議なり」とて、重科に行はるべ
に番
かりけるを、この僧申しけるは、「老母が命を助けて、暫くもや添ひ候ふ
かと思ひて、我が身如何なる科にも行はれ候へ、母が命、少し延びん事
一本意に候ふ。この魚、今はとても助かるまじきにて候へば、是を母が
おんいまし
許へ遺はし候ひて、一口も物食ひ候ふ由を承り候ひて、いかなる御戒め
コくて
にも当たり侍らば、本より存じ設けたる事なり。恨みも候ふまじ」と
「葵して、涙を流しければ、事の体を哀れに思食て、「母の有りける
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こそ、 昔も、氷の上に魚を得、冬の天に第も得たるためしあり。哀れに
こそ覚ゆれ」とて、放ちにけり
(「沙石集」による)
(注) 重科 =重い罪。
*世間 = 生活。
* 魚なんどなき外は= 魚などがないと