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いまから十五年も前、パリに着いて©カンシンしたことの一つは、ヨー
ロッパ人が立体感電にきわめて@ピンカンだということだった。ノートル
ダムのような巨大な量惑のある建物をはじめ、都市のパースペクティー
ヴ、公園の空間処理、©ゲキジョウ、美術館の室内空間にいたるまで、三
ジゲンの感覚がのびのびと自在に働いているという感じだった。
夜、大通りを歩いていると、すでに閉店した靴屋、洋品店、花屋、文具
店などが、店全体を照明し、そこが舞台ででもあるかのように美しく@演
出されているのであった。ふだん客が歩く通路まで、花瓶を置き、商品を
いっぱいに拡げてある。店全体はさながら一個の大きな箱の内面のように
見えた。
それまでせいぜいショウウインドウの飾りしか見たことのない私は、店
の奥まで舞台のごとく設えるフランス人の感覚を、ひどく新鮮なものに感
しつら
じた。