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左の道をすすんだ三郎次は、兄弟の中ではいちばん年もわかく、気もやさしかったので、ふたり
の兄とわかれると、さびしくてなきだしそうになりました。が、これではならぬと思いかえして、
元気よくすすんでいきました。この道は、ひろい川にそっておりました。が、都まではよほど遠い
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とみえ、日のくれかかるころに、ようやく都のはずれにつきました。
もう足がくたびれて、ひと足もあるけないほどにつかれていました。どこかに宿屋はないかと、5
きょろきょろ見まわしながらやってきますと
「もしもし。」
と、三郎次をよびとめる女の人がありました。
「はい、はい、わたしをおよびになりましたか。」
と、立ちどまりますと、女の人は三郎次の顔を見ながら、
「あなたは旅のおかたでございますか。」
と聞きました。
*たん ば
「はい、わたしは、丹波の国から、都へまいるのです。」
と言いました。すると、女の人はよろこんで、
「それではおきのどくですが、わたしの主人の家まで、ちょっとおいでください。けっしてわる 5
いことではありませんから。」
と申しました。