A
次の文章を読んで、あとの1~3
にひゃくもん
注
ひきゃく おほつ
飛脚、大津にて京までかごかりけり。随分随分急ひで弐百文にねを
して、いきなしにくるはづなれども、さすがかごかいて、そのやうに
(そうはいっても)
もならず。やうやうやつと茶屋までゆきけり。飛脚云ふやう、「をれ
は急ぐによつて、弐百文出して、かつて来たが、かやうにおそくては
かつて、
注
ならん。」と云ひ、しかりければ、かごかきの云ふやうは、「随分は急
ぎますれども、こなたがおもいによって。」と云ふ。
(あなた)
「そんなら、からかごなら、走るか。」「なかなか。走りましやう。」
(もちろん)
と云ふ。「そんならおりよ。」と云ひて、われも一緒に走りけるとかや。
評にいはく、急ぎにこころとられ、われがかごにのること、わすれ
るもおかし。
(「軽口ひやう金房」による)
nuh. Kette
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