(虫歯を抜き取る)
(欲が深くて)
(損得を重んじ)
(何事につけても)
(財産も持っている人が)
※R
南都に幽取る。唐人ありき。或る”在家人の怪食にしてで、利簡をさきとし、事にぶれて、商 ひ心のみありて、徳もありけるが、
(取ってください)
虫の食ひたる歯を(取らせんとて、唐人が許へ行きぬ。歯取るには、銭”ニ文に定めたるを、「一文にて取りてたべ」といふ。
(それでは)
(わずかばかりのことなので)
小分の事なれば、只も取るべけれども、@心ざまの悪さに、「ふづと一文には取らじ」といふ。さらば三文にて、歯二つ取りてた
(送しP)
(無に)
(得をしたと思っただろうが)
べとて、虫も食はぬ、よによき歯をとりそへて、@つ取らせてけり。心には徳利と思ひけめども、きずなき歯を失ひける、大き
AV コ
(ばかげた行為)
を中 金n
なる損なり。これは大きに愚かなる事、をこがましきわざなり。
(無住「沙石集」より)
さマ 』
たうじん
※南都…奈良の都。京都(=北都)に対して言う。
在家人…仏教を深く信仰しているが、僧侶にはなっていない人。
唐人…中国人のこと。
二文…「文」は昔のおかねの単位。