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酢公園に古くからある西洋料理店へ、ルロイ修道士は時間どおりにやって来た。桜の花
はもうとうに散って、葉桜にはまだ間があって、そのうえ動物園はお休みて、店の中は気の
南になるぐらいすいている。椅子から立って手を振って居所を知らせると、ルロイ修道士は、
、呼び出したりしてすみませんね。」
と達者な日本語で声をかけながら、こっちへ寄ってきた。ルロイ修道士が日本の土を踏んだ
のは第二次大戦直前の昭和十五年の春、それからずっと日本幕らしだから、彼の日本語には
年季がっている。
「今度故郷へ帰ることになりました。ガナダの本部修道院で畑いしりてもしてのんびり暮ら
Uましょう。さよならを言うために、こうして皆さんに会って回っているんてすよ。 しばら
くてした。」
ルロイ修道士は大きな手を差し出してきた。その手を見て思わず顔をしかめたのは、光ヶ
丘天使園の子供たちの間でささやかれていた「天使の十戒」を頭に浮かべたせいである。中
三年の秋から高校を卒業するまでの三年半、わたしはルロイ修道士が園長を務める児童養。