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ある人とんだちかたらひて、山のふもとをとほりしに、「この山に虎ありて、人をくらふ。この虎をころしたるものあらば、十万貫をたまふべ
し」と、傍文たちたるを見て、おほいによろこび、うでまくりなどし、そのままかけあがらむとするを、Qどもだちひきとどめ、いのちはをしから
ずといへば、「たからだにもちたらば、いのちは何かをしからむ」と@こたへしとかたりき。おろかなる人のこころざし、まことにをかしき事なれ
ど、たからあつめするものの、人のうらみそしりをもかへりみず、さかりて入れば、またさかりて出づる事、いかほども出でき、遂にはその身も危
fくなり、家もほろぶるにいたれる、@何かこの物語に異ならむ。
JA
次の文章を読んで、後の各問に答えなさい。字数制限のあるものは、句読点·符号も一字とする。
あめのもりほうしゅう」
(雨森芳洲 『たはれ草』による。一部改変)
十万貫をたまふべーし…十万貫のお金を授けよう。
()ある人ともだちかたらひて…ある人が友だちと親しく語り合いながら。
傍文…昔、通達などを板に書き、目立つ場所に揚げたもの。
さかりて入れば、またさかりて出づる事…不当な手段で得た財貨が、結局つまらぬ目的のために使い捨てられるというようなこと。
間一 傍線部の「ある人』を作者は別の言葉で何と表現しているか。本文中からそのまま六字で抜き出して答えなさい。
間| 修線部の「ともだちひきとどめ」とあるが、「ともだち」が心配したのはどのようなことか。十五字以上、二十字以内の現代語でまとめ、答え
なさい。ただし、虎 という語句を必ず使うこと。
間三 修線部@「こたへし』の主語として最も適当なものを次の中から一つ選び、その記号を答えなさい。
sある人
問四本文には実際に人が言った言葉として、「」でくくるべきところがもう一箇所ある。その言葉を本文中からそのまま抜き出し、その初めと終
わりの二字ずつを答えなさい。
間五 傍線部©「何かこの物語に異ならむ」とあるが、この意味として最も適当なものを次の中から一つ選び、その記号を答えなさい。
ァ 何もかもがこの物語と異なっているのだ
ウ どうしてもこの物語とは異なるだろう
問六 明くんは、右の本文を読んで、気づいたことをま、、
たからだにもちたらば…財貨さえ得られるならば
ィ ともだち
ゥ たからあつめするもの
H 作者
ィ 何とかしてこの物語と異ならせたい
どうしてこの物語と異なるところがあろうか