り
は
月
見
が
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の
手
A
ひ
ツ
かなサ
ツ
ク
よ
私 は、どてら着て山を歩きまわって、
月見
にいっぱいとってきて、そ
店の背戸にまいてやって
「いいかい、これは僕の月見草だからね、来
;らね、ここへお洗濯の水
倍てちゃいけないよ。」娘
んは、うなずいた。
)、月見草を選んだわけは、富士に
よく似合う と、思い込んだ事情があったからである。(中略)
河口局から郵便使物を受け取り、またバスにゆられて峠の茶屋に引き返す途中、私のすぐとなりに、濃い茶色の被布を着た青台
い端正の顔の、六十歳くらい、私の母とよく似た老婆がしゃんと座っていて、女車掌が
思い出したように、みなさん、き
は 富士がよく見えますね、と説明とちつかず、また自分ひとりの詠嘆ともつかぬ言葉を、突然言い出して、リュ
コー
った若いサラリーマンや、大きいに本髪ゆって、ロもとを大事 にハンケチでお おいかくし
絹物まとった芸者風の女
から
だをねじ曲げ
いっせいに車窓から首を出して、いまさらのごと く
その変哲もない三角の山を眺めては、やあ
とか、まあ一
ミ
とか間抜けた凌声を発して、卓内は(
)、さわめいた。(
)、私の となりの御隠居は、胸に深い憂 でもあるのか
他の遊覧客
富士には一警も与えず、(
2
)富士と反対側の、山道に沿った断崖をじっと見つめて、私」
の。
からだがし
れるほど快く感ぜられ、私もまた、富士なんか、あんな俗な山、見たくも
という、高尚な虚無 の心を、
その老婆に見一
たく思って、
あなたの お苦しみ、わびしさ、みなよくわかる、と頼まれもせねのに、共鳴の素振りを見 せ
てあげたく、老婆に甘えかかるように、そっとすり寄って、老婆とおなじ姿勢で、ぼんやり崖の方を、眺めてやった
老築も河かしら、私に安心していた ところが あったのだろう、ぼんやりひとこと、
「おや、月見草。」
て、細い指でもって
路傍の一箇所を指さした。さっと、バスは過ぎてゆき、私の目には、いま、ちらとひと め見た
黄金色の月見草の花一つ、花弁もあざやか に 消えずに残った
あいたいじ
三七七八メートルの富士の山と、立派に相対時し、みじんもゆるがず、なんと言うのか、金剛力草とでも言いたいくらい
けなげにすっくと立っていたあの月児草 は