その2
紙製の上げ底、人組らしい布、化学材の箱、パラヒン組
以上、中味の石鹸以外に八種のものが使われている。私などは生まれてこのかた、八重に
*ゴされたことは一度もないので、かしこみ、かしこみ、この絹のcような。お扇子の姫君
る
を押し頂かせられる恰好である。
石鹸は生活にとって質実な裏方の役目を受け持って貰うものである。多すぎる飾りはむな
しい。七重、八重の残骸をとりまとめ、可燃不燃と分別し、エレベーターにつり下げられて
T ミ置き場へ持っていく時のあじけなさ、その上、物を“ソマツにしたくない、という私の身
についている平常心がいたく傷ついている。
時にはただ紙に包み、箱に入っているだけの一 =
さりげないかたちで届くものもある。
却ってそういうものに、贈り主のあたたかさを感じる。そういうものには、その一枚にも
意匠するひとの心が、しっかりと“裏打ちされている。
やさしさ、“セイケツさ、けなげさ、といった石鹸のあるべきかたちを体した心が、紙一枚
にこめられている"ようなものに出遭うとこちらも心が和められる。そういう紙の一枚一枚、
いい旬いがしみついているのを捨てがたく、鏡の前などに置いて油の指を。プいたりするが、
そんな時ふたたび贈り主のことが思われる。
包み、ほどく、使う、そういう物の存在のかたちのなかで、5人と物を結ぶてだてが、包み
にかけられている