今に人の裏屋となりにけり。
T O 有清れしも
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行く水の流れは絶えぬ鴨川や、恋の中川かへりみる。心ぼそくも長縄手を、手繰り手繰りと歩み行く。とある岸陰にいぶ#
藁屋の、誠にこの内にも住まれけるかと、主従立ち寄り見侍れば、まことに浅ましげなる乞食の夫婦 静ふ也。猶其の事を聞
いれば、怪気がましき事のみ也。主従同じく心に思ふ様、「実や昔より、高き卑きも、知あるも愚かなるも、此の道に迷ふ例
なきにあらず。あのさもしげなる女を、誰ありて袖引かん」など、言ひ侍れば、友名の日はく、「其の方が言へるは、ただ襟付に
て真の恋路にはあらず、彼の穴玉敷ける家も何せん八重はえたる宿に妹とし住まば、など詠めるこそ本意ならめ」とて、彼の
素性法師が、や手向には綴りの袖も切るべきを紅葉に飽ける神や返さん、と詠ぜしを、翻案して、
こつじき
いさた
ためし
トリ
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(注2)
(型)S
Vs
w
A
4 和
(注4)(注5)
抱き合はば綴れの夜着も着るべきに紅裏 小袖寒き独り寝
と続け給ふも我が身につまされてやと情 多し。其の時是楽言ふやうは、「友名公はよく此の道の筋知り給ふものかな。さあらば
其の乗物を下り給ひて、あの詳ひあつかひ給ふべし」と言へば、友名も口にてこそかくの給ひけれ、さすが手づから取りあつか
ふまでは少し掛 敵あれば、是楽、
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されな
こさか二
2 J二れる
とりさゆる人なき犬婦 詳ひは中直りをば如何にするらん