徒然草
歴 専門家の慢心
ナビ
一道にたづさはる人、あらぬ道のむしろに臨みて、「あはれ、わが道ならましかば)
よにわろく覚ゆ
筆者の最も言いたい
でくくろう。
かくよそに見侍らじものを」と言ひ、心にも思へる事、常のことなれど、
るなり。知らぬ道のうらやましく覚えば、「あなうらやまし。などか習はざりけん」と言ひ
牙あるものの牙
語注| * むしろ…会合の席。
てありなん。わが智を取り出でて人に争ふは、角あるものの角を 傾 け、
をかみ出だすたぐひなり
ち
S海一問三比崎
現代文と同様、古文でも比
があります。比陰表現は逐
せん。その表現を通して作
文脈から読み取る必要があ
人としては、善にほこらず、物と争はぎるを徳とす。他にまさることのあるは、大きな
る失なり。品の高さにても、才芸のすぐれたるにても、先祖の誉れにても、人にまされり
と思へる人は、たとひ言葉に出でてこそ言はねども、内心に。そこばくのとがあり。慎み
て。これを忘る「べし。をこにも見え、人にも言ひ消たれ、禍 をも招くは、ただこの慢心
なり。
一道にもまことに長じぬる人は、みづから明らかにその非を知る故に、 志 常に満たず
して、つひに物にほこる事なし。
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