課題 次の文章を読んで、動詞をすべて探し、活用の行·種類を答えなさい。
い
ななたび
(社1東北院の(12)菩提講はじめける聖は、もとはいみじき悪人にて、人屋に七度ぞ入
* 3 みし
ぼ だいかう
とうぼくゐん
いvャ
りたりける。 七たびといひけるたび、(社3)検非違使どもあつまりて、「これはいみじき悪
人なり。一、二度人屋に入るだに、人としてはよかるべきことかは。まして(誰4)幾十ば
くの犯しをして、かく七度までは、あさましく、ゆゆしきことなり。このたびこれが足一
さうにん
きりてん」とさだめて、足きりに率て行きて、切らんとするほどに、いみじき相人あり
けり。それが物へいきけるが、この足切らんとする者によりていふやう、「この人、おの
わうじやう
れにゆるされよ。これは、かならず (建5)往 生すべき相ある人なり」といひければ、「よ
しなきこといふ、ものもおぼえぬ相する御坊かな」といひて、ただ切りに切らんとすれ
ば、その切らんとする足のうへにのぼりて、「この足のかはりに、わが足を切れ。往生す
べき相あるものの、足切られては、いかでか見んや。おうおう」とをめきければ、切ら
んとする者ども、(6)しあつかひて、検非違使に、「かうかうのこと侍り」といひければ、
やんごとなき相人のいふことなれば、さすがに用ゐずもなくて、(#7)別当に、「かかるこ
となんある」と申しければ、「さらばゆるしてよ」とて、ゆるされにけり。そのとき、こ
の盗人、心おこして法師になりて、いみじき聖になりて、この菩提講は始めたるなり。
まことにかなひて、いみじく 終 とりてこそ失せにけれ。
かかれば、高 名 せんずる人は、その相ありとも、おぼろけの相人の見ることにてもあ
らざりけり。はじめ置きたる講も、けふまで絶えぬは、まことにあはれなることなりか
し。
(注1)東北院=寺院の名。
(注2菩提講=死後に仏の世界である極楽浄土に生まれ変わることを求めて、法華経を講義す
る法会。
(注3)検非違使=都の治安維持にあたった職。
(注4)幾十ばく=数多く。
(注5)往生=死後に仏の世界である極楽浄土に生まれ変わること。
(注6)しあつかひて=持て余して。
(注7)別当=検非違使庁り是官。