これを聞きて、かぐや姫言ふ。「鎖し籠めて、守り戦ふべき下組みをしたりA
たけ
まなこ
つぶ
の国の人を、え戦はぬなり。弓矢して射られじ。かく鎖し籠めてありとも、かの国の
人来ば、みな開きなむとす。 あひ戦はむとすとも、かの国の人来なB、猛き心つか
ふ人も、よもあらじ」。翁の言ふやう、「御迎へに来む人をば、長き爪して、眼をつか
み潰さむ。 さが髪をとりて、かなぐり落とさむ。 さが尻をかき出でて、ここらのおほ
やけ人に見せて、恥を見せむ」と腹立ちをり。かぐや姫の言はく、声高になのたま
ひそ。屋の上にをる人どもの聞くに、いとまさなし。いますがりつる心ざしどもを、
思ひも知らで、まかりなむとする事の口惜しうはべりけり。長き契りのなかりけれ
ほどなくまかりぬべきなめりと思ふが、悲しくはべるなり。親達の顧みを、い
ちぎ
ささかだに仕うまつらで、まからむ道も安くもあるまじきに、日ごろも、出で居て、今年
いとま
Emm
ばかりの暇を申しつれD さらに許されぬによりてなむ、かく思ひ嘆きはべる」
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