②すいしゅ
かんどり
つはもの
源氏の兵ども、すでに平家の舟に乗り移りければ、水手、梶取ども射殺
され、斬り殺されて、舟を直すに及ばず、舟底にだはれ伏しにけり。新中
JPPSSさやう
(6) しよ
納言知 盛卿、小舟に乗つて御所の御舟に参り、「世の中は、今はかうと見
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えて候ふ。見苦しからん物ども、みな海へ入れさせ給へ。」とて、艦舶に走
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り回り、掃いたり、拭うたり、塵拾ひ、手づから掃除せられけり。女房た
ち、「中納言殿、いくさはいかにやいかに。」と口々に問ひ給へば、「めづ
らしきあづま男をこそ御覧ぜられ候はんずらめ。」とて、からからと笑ひ
給へば、「なんでふのただ今のたはぶれぞや。」とて、声々にをめき叫び給
ひけり。