古代ローマ帝国の版図にあっ
た欧州の国々には、「水道橋」
と呼ばれる巨大な遺跡が残って一
いる。遠くの水源から都市に水」
|天を運ぶインフラである。そんな
橋の一つを見上げたときに「た」
かが水のために、こんなにすごいものを一
造ったのか」と驚いたマ「たかが水のた」
めに」というのは水道のなんたるかを知
らぬ者の愚考だった。 日本の江戸のまち
も、地中に木製の水道管を張り巡らせる一
技術なしには成り立たなかった。「すご」
いもの」は今も、地中や地上の水道管と
して私たちの暮らしを支えている▼心配
なのが老朽化だ。本紙記事によると法律
で定められた水道管の耐用年数は0年だ
が、全ての管のうち7%がその年限を超
えているという。人口が減り、水道料金
収入が減るなか、更新費用が足りないの一
だ▼最近どきりとしたのは、和歌山市の一
川にかかる水管橋が崩落した図である。
断水は6万世帯に及び、ほぼ1週間続い
た。たった一つの水の橋に多くの人の生
活がかかっている▼哲学者の和辻哲郎は一
『風』で、古代ローマが大都市を築け
たのは水の制約を打ち破ったためだと書
いた。それに先立つ古代ギリシャは制約一
を破ろうとせず、都市が大きくならなか
った。人口の増加と水道の発展が歩調を一
合わせてきたのが文明の歴史であるマ人
口が減っても水道が命綱であるのは変わ
らない。かつては「日本人は水と安全は
タダだと思っている」と言われた。し」
かし今は水を使い続けるために、費用一
を捨り出すことが急務となっている。 盤|