もろこし人の物語に、ある人ともだちかたらひて、山のふもとをとほり
任田
友達と親しく語り合いながら」
しに、この山に虎ありて、人をくらふ。この虎をころしたるものあらば
十万貫をたまふべしと、 袴文たちたるを見て、おほいによろこび、うで
十万貫のお金をさずけよう
まくりなどし、そのままかけあがらむとするを
かたへの人ひきとどめ、いのちはをしからずや
にいた人
といへば、たからだにもちたらば、いのちは何
かをしからむとこたへしとかたりき。おろかな
mn。
る人のこころざし、まことにをかしき事なれど、
m~er
たからあつめするものの、人のうらみそしりを
もかへりみず、さかりて入れば、またさかりて出づる事、いかほども出で
不当な方法で得た財貨は、結局つまらない目的のため使い捨てられる
いくらでも
き、遂にはその身も危ふくなり、家もほろぶるにいたれる、何かこの物語
に異ならむ。