展
探究の歴史 分化した細胞は同じ遺伝情報をもつのか?
分化してさまざまな形や機能をもつようになった細胞が,受精卵と同じ遺伝情報をもっ
ているということは、どのような実験によって明らかになってきたのだろうか。
1. ガードンによるクローンカエルの作製
イギリスのガードンは,分化した細胞の
核にも受精卵の核と同様の遺伝情報が含ま
れるかを確かめる実験を計画した。 1962
年, ガードンは,アフリカツメガエルの幼
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生の腸の上皮細胞から核を取り出し, これ
を、紫外線を照射して核のはたらきを失わ
せた未受精卵に移植する実験を行った(図
Ⅱ)。 この実験の結果, 低い確率であるが,
核を移植した卵からアフリカツメガエルの
正常な幼生や成体が得られた。 このことか
ら,分化したカエルの細胞の核にも, から
だをつくるのに必要なすべての遺伝情報が
あることが示された。
①図 I ガードン
~
紫外線照射
腸の上皮
細胞の核
幼生
腸
未受精卵
腸の上皮細胞
腸の上皮
「細胞の核
幼生
成体
図Ⅱ アフリカツメガエルの核移植実験 この実験で得られた個体と、核を取り出した個体とは,
同じ遺伝情報をもっている。
しかし,分化したカエルの細胞を取り出して培養しても、成体は得られない。これは,
分化に伴って,不要な遺伝子は発現しないようロックされてしまうからである。受精卵は,
1個の成体を構成するすべての細胞をつくり出す能力をもっており、このような性質を全
能性という。分化した細胞は、 一部の遺伝子がロックされることで, 全能性を失っている。
のうせい
ぜん
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第1編 生物の特徴
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