アミノ酸の構造決定についてなのですがCysの位置が⑥に決まったのは何故ですか?他のパターンでも成り立つことはないのでしょうか?教えて頂きたいです。よろしくお願いいたします。
2 次の文章を読み, 問1~ 問4に答えよ。
バソプレッシンは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンの一つであり, 9個のアミノ酸か
らなるペプチドである。 いま, バソプレッシンの類似物質として合成されたペプチドVの
アミノ酸配列を以下の(1)~(5)の手順で決定した。 このペプチドVはパソプレッシンと同様
に9個のアミノ酸からなり,分子内にはジスルフィド結合により、6個のアミノ酸を含む環
状構造が1個形成されていることがわかっている。 以下では, ペプチドVのアミノ酸配列
を次のように表す (ジスルフィド結合は省略)。
phe 145 194
H₂N-0-2-3-6-8-8 10-8--COOH
Hel
アミノ末端
VI
カルボキシ末端
(1) ペプチドVに還元剤を加えて分子内のジスルフィド結合を切断した後, 6mol/Lの塩酸
とともに加熱して、 完全に加水分解したところ, 表1の8種類のアミノ酸だけが生成した。
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表 1
ペプチドVの構成アミノ酸
R-CH-COOH
NH2
アミノ酸
略号
R-
グリシン
Cly
H-
アスパラギン酸
Asp
HOOC-CH2-
グルタミン酸
Glu
HOOC – (CH2)-
システイン
Cys
HS-CH2-
シン
Lys
H2N- (CH2)4
フェニルアラニン
Phe
-CH2-
※プロリンの構造式
CH2
CH-COOH
チロシン
Tyr
HO
CH2-
H2C
NH
CH2
プロリン (注2)
Pro
※
(注2) プロリンの > NHと他のアミノ酸のCOOH からなる
G-N-もペプチド結合とよぶ。
0
酵素 E-1 は, 塩基性アミノ酸のカルボキシ基側のペプチド結合を特異的に加水分解する。
ペプチドVを酵素 E-1 によって加水分解したところ, ペプチド V-1 とグリシン Gly のみ
が1:1の物質量比で得られた。
リシン×1
-5-
酵素 E-2 は, ペプチドのカルボキシ末端側から順にペプチド結合を加水分解する。た
だし, カルボキシ末端のアミノ酸がプロリン Proの場合、 酵素 E-2は末端のペプチド結合
を加水分解できない。 (2)で得られたペプチド V-1 を酵素 E-2 によって加水分解したとこ
ろ, ペプチド V-2 とリシン Lys のみが物質量比1:1で得られた。
(4) 酵素 E-3 は, 芳香族アミノ酸のカルボキシ基側のペプチド結合を特異的に加水分解する。
(3)で得られたペプチド V-2に還元剤を加えて分子内のジスルフィド結合を切断した後,
酵素 E-3 によって加水分解したところ、 ペプチド V-3, ペプチド V-4,およびフェニルア
ラニン Phe が得られた。 V-3 と V-4 はいずれもシステイン Cys を含み、V-3はキサン
プロテイン反応に陽性であるがビット反応に陰であった。一方、V-4はビウレット
反応に陽性であった。
Cys/ The Cys / Phe
TYE
ペプチド V-4 を0.1mol/Lの希塩酸を用いておだやかに加水分解すると、アミノ酸と
ペプチドからなる混合物が得られた。 この混合物には2種類のトリペプチドが含まれて
いたので,これらを分離し, それぞれを6mol/Lの塩酸とともに加熱して、完全に加水分
解したところ,これら2種類のトリペプチドのアミノ酸組成は以下のようであった。
Asp. Glu, Cys), (Asp, Cys, Pro
問1
Glu
ASP C7
ksp cys Glu
表1に記したアミノ酸のうち、次のa,bに該当するアミノ酸をすべて選び、表中
この略号で記せ。
a. キサントプロテイン反応を示す。
b. pH6の条件で電気泳動を行うと, 陽極に移動する。
問2 下線部のジスルフィド結合の切断は, 2-メルカプトエタノールと反応させることに
よって行う。 ジスルフィド結合を含む化合物 RS-S-Rと2-メルカプトエタノー
ル HS-CH 2 CH 2 OH との反応を化学反応式で記せ。 ただし, 2-メルカプトエタノー
ルの還元剤としてのはたらきを示すイオン反応式は次式で示される。
2HS-CH2CH 2 OH→ HOCH2CH2 -S-S-CH2CH2OH+2H+ + 2e
問3 ペプチドVのアミノ酸配列を前のページの書き表し方に従って表すとき、手順(1)
~(3)の結果により, カルボキシ末端側の3つのアミノ酸⑦~⑨の配列が決まる。 該当
するアミノ酸を略号で記せ。
phe
7V HN-1-2-3-4-5-6-7-8-9-COOH
問4 ペプチドVのアミノ末端側のアミノ酸①~⑥に該当するアミノ酸を略号で記せ。
Cys - Tyr-phe-Glu Asp-Cys-pro-Lys
-6-
2
問1a.
キサントプロテイン反応はベンゼン
環をもつアミノ酸およびペプチド・タンパク質
で起こる反応である。 表中のアミノ酸では, フ
ェニルアラニン Phe とチロシン Tyrである。
b. pII6での電気泳動で陽極に電気泳動する
アミノ酸は,等電点が酸性側にある酸性アミノ
酸である。 表中のアミノ酸では,アスパラギン
酸 Asp とグルタミン酸 Glu である。
問2 ペプチドやタンパク質中のシステイン
Cys は, 他のシステインとの間でジスルフィ
ド結合を形成する。 システインを Cys-SHと
表すと, システイン分子間でのジスルフィド結
合の形成は次のイオン反応式で表される。
2Cys SH
→
Cys-S-S-Cys + 2H+ + 2e¯
2-メルカプトエタノールが還元剤としては
たらくときのイオン反応式も同様である。
2HS-CH2CH2OH
←
HOCH2CH2-S-S-CH2CH2OH
+ 2H+ + 2
. (i)
したがって, ジスルフィド結合をもつ化合物
RSS-R の -S-S- 結合が酸化的に切断
されるときのイオン反応式は次のようになる。
R-S-S-R + 2H+ + 2e"
→
2 R-SHI
(ii)
(i) + (ii) より, 求める化学反応式が得られる。
R-S-S-R + 2HS-CH2CH2OH
→
2 R-SH
+ HOCH2CH2-S-S-CH2CH2OH
問3 (2) より, このペプチドVのカルボキシ末
端のアミノ酸はグリシン Gly で, 得られたペ
プチド V-1 はオクタペプチドであり, そのカ
ルボキシ末端は塩基性アミノ酸のリシン Lys
である。 また, (3) からもV-1のカルボキシ末
端はLys である。 さらに, Lys が加水分解さ
れた後, 酵素 E-2 による V-1の加水分解がこ
れ以上進まないことから, Lys とペプチド結
合したアミノ酸はプロリンPro である。 した
がって, ペプチドVのカルボキシ末端側の3
個のアミノ酸配列は,次のようになる。
問4 (3) で得られたペプチド V-2 は, 7個のア
ミノ酸で構成されており, そのカルボキシ末端
はProである。 また, ペプチド Vにはジスル
フィド結合した6個のアミノ酸からなる環状構
造が存在するので,① と ⑥のアミノ酸はシス
テイン Cys であることがわかる。 したがって、y-Asp
ペプチド V と V-2 の構造は,以下のように
定される。
Cysz決まる。
Gly-COOH
※2つ存在するのは
S.
1種類のみなので
H₂N Cys
Pro
Lys
67
②
⑤
③
④
V-2
⑥
√3) SGLL-Cys-
・pro
Tyrphe'
Asp-pro
Cys-Tyrd
Phel
(4) で, ペプチド V-2 を還元して鎖状のペプ
チドとし, 芳香族アミノ酸のカルボキシ基側の
ペプチド結合を特異的に加水分解する酵素 E-3
を用いて加水分解すると, システインを含む2
種類のペプチド V-3 と V-4 およびフェニルア
ラニン Pheが得られた。
V-3 は, ビウレット反応を示さないことか
らジペプチドであり, このうち一方はシステイ
ンである。 また, キサントプロテイン反応を示
すことから,もう一方は芳香族アミノ酸のチロ
シン Tyr である。 したがって, V-3 の Cysは,
アミノ末端のアミノ酸①であり, ジペプチド
V-3のアミノ酸配列は次のようになる。
H2N-Cys - Tyr-COOH
① ②
(このシステインがアミノ酸 ⑥ であれば, 酵素
E-3 の基質特異性から, 必ずプロリンを含むペ
プチドとして得られるはずである。)
V-4 は, V-2 の構成アミノ酸から考えて、
Pro, Asp, Glu, Cys よりなるテトラペプチド
である。 希塩酸を用いてV-4のペプチド結合
を部分的に加水分解して得られたペプチド断片
のうち, 2つのトリペプチドのアミノ酸組成か
ら,V-4のアミノ酸配列が決まる。
HN-...
Pro
Lys- Gly-COOH
⑦
(8
9
黄緑で書き込んだような構造になることはありませんか?