✨ ベストアンサー ✨
どのような分子はラジカルを示して、どのような分子はラジカルを示さないのか
>分子全体の総価電子数が奇数の分子、または化学反応中で一時的に発生する不正確な結合がラジカルになります。
酸素の共鳴構造式の書き方が分からず、何故電子対を分解してラジカルを示すのか理解できません。常磁性?というものが理由でしょうか?
>総価電子数が偶数の場合はラジカルにはならないのですが、ご自身が応えている常磁性がO2にあります。物理化学のルールとして、「分子の中にペアになっていない電子(不対電子=ラジカル)が存在するときだけ、常磁性を示す」という絶対的な決まりがあります。O2は常磁性という磁石に引き寄せられる特殊な性質を持つため、その実際の状態(基底状態)をルイス構造式や共鳴構造で無理に表現しようとするとラジカル(不対電子)を持つような構造式を描くことがあります。
ルイス構造のルール(オクテット則)を最優先にすると綺麗な二重結合になりますが、「実験事実である常磁性をどうしても構造式で表現したいから、例外的に電子対を分解してラジカルとして書いている」と捉えておくと整理できるかと🙇
いくつかの重要な点で誤解が含まれている部分と、非常に鋭い洞察(大正解)の部分が混ざっています。
1. 「スピンの向きが同じなら安定、逆向きだと不安定」という理解について
❌ この理解は誤り(混同)が含まれています。
正しい解釈
「スピンの向き」の話と「反結合性軌道に入るかどうか」の話は全く別のルールです。
反結合性軌道に入る理由:
酸素の2pyや2pzの軌道同士が重なると、「エネルギーの低い結合性π軌道」と「エネルギーの高い反結合性π*軌道」がそれぞれ作られます。
入るべき電子の総数(写真の丸3個×2対=6個)をエネルギーの低い順に詰めていくと、結合性π軌道(4個まで入る)が満杯になり、どうしても溢れた2個が反結合性π*軌道に入ることになります。スピンの向きに関係なく、電子の数そのもののせいで反結合性軌道に入ります。
スピンの向きが同じ(平行)な理由:
反結合性π*軌道は、エネルギーの等しい2つの軌道(
πy*とπz*)に分かれています。
フントの規則(同じエネルギーの軌道に電子が入るときは、できるだけ異なる軌道に同じ向きのスピンで入った方が安定になる)に従うため、2個の電子は別々の軌道に同じ向き(平行スピン)で入ります。
これがまさに、写真の右上図の緑丸の斜め右上に描かれている「↑」と「↑」の状態です。
「3電子結合」は高校化学の「三重結合」と同じか?❌ 全く違います。結合の強さはむしろ逆です。
分子軌道論の3電子結合(π結合):
結合性軌道に2個、反結合性軌道に1個の、計3個の電子による結合です。
反結合性軌道に電子が1個入ると、結合性軌道にある電子1個分の結合力を打ち消して(相殺して)弱めてしまいます。
したがって、「3電子結合」の実質的な結合の強さは、電子1個分の結合力(単結合の半分=0.5重結合分)しかありません。
酸素分子全体では、σ結合(1.0) + 3電子π結合2つ(0.5 × 2 = 1.0) = 実質「二重結合」(結合次数2)として機能しています。
共鳴構造式の上下に6電子あるのはなぜか?(ラジカルの表記?)
>⭕ 非常に鋭いです!
その通り、ラジカル(不対電子)の存在を形式的に表しています。
ルイスの電子式(高校化学の点々の式)は、基本的に「2個の電子がペア(電子対)を作る」ことを前提に作られているため、「スピンが同じ向きでバラバラに存在する不対電子(ラジカル)」を1つの図で完璧に表すことができません。そのため、一番左の「完全な二重結合(安定)」から、不対電子(・)をあちこちに散らばらせた「ラジカル構造」をいくつも描き、「これらすべての状態が混ざり合った(共鳴した)ものが、本物の酸素分子の姿だよ」と表現しているのです。
中央にある「biradical(ビラジカル)」と書かれた構造を見てみましょう。真ん中が単結合(σ結合)になり、左右の酸素原子の周りに非共有電子対が3組ずつ(6電子)配置され、さらに中央にポツンと不対電子(・)が1つずつ描かれています。これは、「電子がペアになって閉じこもっている部分(孤立電子対)」「ペアになれずに反応性を秘めている部分(ラジカル)」をルイス式の中でなんとか区別して辻褄を合わせるための、形式的な表現方法です。
酸素分子の本当の姿は、「結合は二重結合っぽい強さなのに、なぜか磁石に引きつけられる性質(常磁性=ラジカルを2つ持つ性質)がある」という不思議な状態です。
これを、軌道の重なり(左上の3次元図)と、複数のルイス構造式の重ね合わせ(下の共鳴構造式)の2つのアプローチから説明しているのがこのプリントの趣旨になります。
理解されましたら、解決済みお願いします🙇
詳しく沢山ありがとうございます!😭

追加ですみません。「写真の緑で囲んでる電子がπ結合して3電子結合する。この時スピンの向きが同じなら安定していて、逆向きだと反結合性軌道に入るため不安定である」という理解であっていますか?また、3電子結合はいわゆる高校化学の三重結合と同じものを指しますか?
共鳴構造式の単結合の上下に六電子配置しているのはラジカルで表すために形式的に表しただけでしょうか?共鳴構造式の所が特に理解できていないので教えて頂けると嬉しいです、!