一般的な遺伝子組換えの実験のシチュエーションが、問題文に与えられていますよね?それを前提に回答します。
そもそも大腸菌がローン状に生えるのと、コロニー状に生えるのとの違いから説明します。
こういう遺伝子組換え実験では、ベクター(プラスミド)に組み込みたい遺伝子を挿入し、その後、大腸菌に遺伝子組換えプラスミドを入れ、挿入された遺伝子による産物が出来ていれば遺伝子組換えが成功!という事になります。ここであんまり強調されないのでスルーされがちですが、遺伝子組換え実験では、きちんとした実験手順で実験を行ったとしても、遺伝子組換えが成功するのはごく一部です。全部というのはあり得ないです。つまり、数多くある大腸菌に対して、遺伝子組換えが成功するのは一部なので、その成功した一部だけがコロニーとして肉眼で判断出来るという事になります。
次に、なぜこの実験系で、予想通りであればいくつかにコロニーが発生するかを説明します。LB培地を使用しているので、基本、この培地では大腸菌は繁殖します。問題の図で一番右が対象実験ですが、大腸菌が一面に生えているのがローン状といった状態です。ただし、培地にAmp(アンピシリンの略称であり、抗生物質)が加えられていると、大腸菌の増殖が抑えられるので、大腸菌は生えません。しかし、遺伝子組換えでアンピシリン耐性遺伝子(具体的には、アンピシリンを分解する酵素を合成する遺伝子)がベクターを介して大腸菌内に入っていれば、この遺伝子のおかげで周りのアンピシリンが分解されるので、その遺伝子組換え大腸菌のみ生き残り、繁殖する事ができます。遺伝子組換えが成功するのは一部なので、プレート全体の中で遺伝子組換えが成功した大腸菌のみがポツポツと確認できるようになります。これがコロニー状になる理由です。
問題の解答ですが、今回は全てがローン状に繁殖しているので、まず考えられるのは、1)Ampが大腸菌に対して作用していない、というのが真っ先に浮かびます。なぜ作用していないのかを考えるまでが仮説だと思うので、色々考え方がありますが、私だったら、1)実験で用いた大腸菌株そのものに、もともとアンピシリンに対する耐性があった、と考えます。それを証明するための実験としては、2)今回実験で用いた大腸菌株と、異なる大腸菌株を対照実験として用いて、それぞれアンピシリン入りのLB培地で繁殖実験を行う。もし、仮説通りであれば、今回用いた大腸菌株を添加した方は、ローン状に繁殖するが、対照実験の方はアンピシリンにより繁殖が抑制されるので全く繁殖しない、という結果になる。…というのを図入りで解答すれば良いんじゃないかなと思います。
回答
疑問は解決しましたか?
この質問を見ている人は
こちらの質問も見ています😉
おすすめノート
【生物基礎】顕微鏡の使い方
66
0
生物基礎
34
0