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とりあはせ
べんのないしにつき
弁内侍日記
三日の御鶏合
あせ
かいあはせ
左右に分かれ、ものを比べて優劣を競い合う遊びに「歌合」「貝合」などがあるが、ほかに、陰暦三
月三日の宮中の行事として「鶏合」がある。次の文章は、後深草天皇の時代の記事である。
三日の御鶏合に、「今年は女房のも合はせらるべし。」と聞きしかば、若き女房た
はりま
くないきやうのすけ
*ためのりの
ち、心尽くしてよき鶏ども尋ねられしに、宮内卿典侍殿は、「為教中将が播磨といふ
① までのこうぢの
鶏を出ださん。」などぞありし。万里小路大納言の参らせられたる赤鶏の、石とさか
なるが、毛色も美しきを賜はりて、空局に誇らかして置きたるを、盛有といふ六位
あきつぼね
もりあり
が、「その鶏、きと参らせよ。」と言ふ。かまへて鶏などに合はせらるまじきよし、
よくよく言ひて参らせつ。とばかりありて、片目はつぶれ、さかより血垂り、尾抜
けなどして、見忘るるほどになりて帰りたり。おほかた思ふはかりなし。 「今はゆ
ゆしき鶏なりとも何かはせん。 賜はりの鶏なれば、聞きもいみじからんとこそ思ひ
しに。」など、返す返す心憂くて、弁内侍、
我ぞまづ音に立つばかりおぼえける木綿付鳥のなれる姿に
*ゆふつけどり
*為教中将が播磨といふ鶏を為教中将の(所有する)「播磨」と
さかなるが、
N
AMER
内容 研究
歌に集約される心情を読み取る
*
*
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10
本文の扉
発端 三
展開
結末
A
求女の三
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