Ⅱ 次に、 図1-3に示す実験を考える。 原子核 X 座標原点に, 初速0で次々
と注入する。 ここではx≧0の領域だけに, x軸正の向きの一様な電場Eがか
けられており,Xはx軸に沿って加速していく。 x=Lには検出器があり, 原
子核の運動エネルギーと電気量, 質量を測ることができる。 電場Eは,
E= 2miaとなるように調整されている。ここでv は,設問1(3)におけるA
qL
の速さ(図1-1参照) であり、 定数である。
X の一部は検出器に入る前に様々な地点で分裂し, AとBを放つ。 原子核の
運動する面をxy 平面にとり, 以下では紙面垂直方向の速度は0とする。 分裂時
のXと同じ速さでx軸に沿って運動する観測者の系をX 静止系と呼ぶ。 X 静止
系では, 分裂直後にAは速さで全ての方向に等しい確率で飛び出す。 X 静止
系での分裂直後のAの速度ベクトルが, x軸となす角度を0 とする。 このと
き 分裂直後のX静止系でのAの方向の速度は A COS 。 と表せる。 以下の設
問に答えよ。
x <
0
*≥0
E=0
2 mv
E=
qL
電場:
原子核 A
検出器
(1) 図1-3にあるように, Xの分裂で生じたAの中には, 一度検出器から遠
ざかる方向に飛んだ後、 転回して検出器に入るものがある。 このような軌道を
転回軌道と呼ぶ。 Aが転回軌道をたどった上で, 検出器に入射する条件を求め
よう。 以下の文の ア から カ に入る式を答えよ。 以下の文中で
指定された文字に加え, L, vAの中から必要なものを用いよ。
分裂時のXの検出器に対する速さを αVA と表すと, 分裂地点 x の関数とし
てα= ア と書ける。 また, 注入されてからx まで移動する時間は,
x の代わりに を用いて, イ と表せる。
転回軌道に入るためには, A の初速度の成分は負である必要があるので,
00 に対して, αで表せる条件, cos 8 < ウ が得られる。 この条件か
ら, そもそも x > I では転回軌道が実現しないことがわかる。 Aが
後方に飛んだ場合, x0 の領域に入ると, 検出器に到達することはない。
これを避けるための条件は, αを用いて cos 0 > オ と表せる。
x0 > カ のときには,Aは0。 によらずx<0の領域に入ることはな
い。
質量4
電気量 24
加速
転回軌道
原子核X
x=0
x=x o
注入地点
初速ゼロ
分裂地点
原子核 B
分裂
図1-1
質量
電気量
質量3
電気量
図1-3
x=L
(2) 検出器に入ったAのうち, 検出器のx軸上の点で検出されたものだけに着
目する。 測定される運動エネルギーの取りうる範囲をm, UA を用いて表せ。
(3) X の注入を繰り返し、 十分多数のAが検出された。 検出されたAのうち,
運動エネルギーがmi よりも小さい原子核の数の割合は, Xの半減期Tが
L
VA
と比べてはるかに短い場合と, 逆にはるかに長い場合で, どちらが多くな
ると期待されるか, 理由と共に答えよ。
24 第1章力学
(3) 静止したXが分裂してAとBになる過程において
運動量保存則より
0=mv-3mos
力学的エネルギー保存則より
原子核A
検出器
2 運動量保存 衝突 25
Ame=
2+ 3mUBL
ame-mr.+3mes
1
これらをA, UB について解くと
134m
Am
DB=C, 6m
・・・()
る間は, 電場E =
2mva²
qL
VA=C2m
II.(1) ア.Xが,原点に初速度0で注入されてから,x軸上を動いてxoまで移動す
VA
転回軌道
00
DACOSO
x=x
x=L
分裂地点
原子核 B
から力を受けて等加速度直線運動をする。 その加速度をαx
とすると, 運動方程式より
2mvA2
4max=2q
ax=
..
qL
VA²
L
等加速度直線運動の式より
(av)2-0=2.
・X0
-1<-a
2xo
(答)ア.
2x0
Aが後方に飛んで, 転回軌道に入るためには, vが負である必要があるので
(a+coso) v<0
>0であるから
a+cosb<0
cosbo <α ... ③
(答) ウーα
cosの条件は,-1≦cos1であるので、 ③より,転回軌道に入るためには
.. α=
...①
VL
①を代入して
イ. 注入されてからx まで移動する時間をto とすると,等加速度直線運動の式より
200
-1<-
L
avx=0+axto
20
QUA av aL
(答) イ.
aL
く
to=
=
VA
ax
VA VA
L
ウ. 分裂直後のAの検出器に対する速度のx成分を”とする。 分裂時のXの検出器に
対する速さはx方向に QUA 分裂直後のX静止系から見たAの速度の成分は
COSO であるから, 相対速度の公式より
DACOS Oo=U-αVA
v=avд+VACOS 00= (a + cos 00) VA 2
よって、転回軌道が実現しない条件は
(答) エ.
L2と
オAがx<0の領域に入らない条件の下で, 後方に飛んだAの加速度をα とすると,
運動方程式より
2mv2
.. aλ=
2012
L
max=q' qL
)
Aが転回した位置をx=x』とする。① より x=CLであるから,等加速度直
線運動の式より
0-v²=2aA(xA-xo)
0-{(a+coso) v = 2.
2.2 (2)
26 第1章 力学
*^ = ² L− (a + cos 00) ²
Aがx<0の領域に入らないとき, x>0であるから
L-(a+cos
(a + cos 00) 2>0
2
2a2 (a+cos 00) 2>0
(a+cos 00) <2a²
③より α+cos < 0 であるから
..
a+ cos 00> -√2a
cosb>(√2+1) α
. この条件が 0 によらず成立するためには, -1≦cos ≦1であるから
-1>- (√2+1) α
0<L<L
0<a<√2 •
2 運動量保存 衝突 27
ゆえに, Aがもつ運動エネルギーKはαの関
数として右図のようになる。
K AT
ここで, 0=0では転回しないので, 0<x<L
であるから, ④より
3mvx
2mox²
(オー (√2+1) α
この条件⑦のもとで,⑥は
α=0のとき,Kは最小値をとり
5
1
..
=√2-1
√2+1
K-12mv^2-(0-1)2+6)=1/2mu
α=1のとき,Kは最大値をとり
Smok
0<
9
L
①のαを代入して
√20 >√2-1
K=½mv¸²{ − (1 − 1)²+6} = 3mv,²
(ii)の場合
K-
K——½ ½ m { (a − 1) v¸}³² = mv¸² (2 −a²)
..
xo>
(
カ.
√2
(1-2)²
..
K=
K = ½mv² (-a² - 2a +5)
(2) 検出器のx軸上の点だけで検出されるものとは, 0 = 0 またはの方向に飛
び出したものである。 分裂直後のAの検出器に対する速さ”は,②より
=/mu^^{-(a+1)^2+6}⑧
(i) =0でx軸の正の向きに飛び出したAの速さは v = (a+1) VA
v = (a-1) vA
(ii) 0 =πでx軸の負の向きに飛び出したAの速さは
である。 分裂地点から検出器に到達するまでに, Aが電場から受けた仕事 W は,
0=0か0=かによらない。 ④を用いると
W=qE (L-x)
=q"
2mUA2
qL
=²x (L-0² L) = mvx²
=mv2(2-a²) 6
Aが検出器に到達したときにもつ運動エネルギーをK とすると, 運動エネルギーの
変化と仕事の関係より
(i) = 0 の場合
K-m {(a+1) v² = mv² (2− a²)
:.K =
x= ½ mu₁² (-a² + 2a +5)
EA
COS> - (√2+1)α かつ
0<a<√2
√2-1<a<√2...9
この条件⑨のもとで⑧は
α=√2-1のとき,Kは最大値をとり
K=mv[-((√2-1)+1)+6]=2mvx²
α= √2 のとき Kは最小値をとり
K=
K = √ √ mv x²{− (√2+1)²+6} == 2
3-2/2
MUAZ
ゆえに、Aがもつ運動エネルギーKはαの関
数として右図のようになる。
KA
3mv
ここで, 0 =πでは転向する必要があるので.
Ⅱ (1) 才の答えと.⑦より
2mDA
3-2√2 mo
2
O√2-1
よって, 測定される運動エネルギーの取りうる範囲は
- mus² - (a−1)²+6} ..
3-2/2
2
mv²≤K≤2mv²,
5
mu≤K≤3mv ---()
私が考えたのは「Aが後方に進む(つまり転回軌道が実現する)且つ 戻ってくる 且つ0<x₀<L」で、戻ってくる条件も議論に加えています。これの共通範囲を取ると√2-1<α<1になります。(計算ミスですか?)
ですが、模範解答では「Aが後方に進む」条件を議論に入れていません。ならば、1<α<√2の範囲では、「θ=πだが、衝突後にAが転回せず前方に進む」となり矛盾した運動になりませんか?