高校数学の後半にくるまであまり意識することがないので見落としがちですが、数学の式変形には同値変形とそうでない変形があります。同値変形でない式変形の場合は得られた式が本当に解になっているか確かめなければなりません
例えば
3x+4=-5
3x=-9
x=-3
という変形は同値変形です。普段は上から下に変形をしていきますが、いざとなったら下から上に式を逆に辿ることもできます
一方で、
lim[x→1]{(a√x+b)/(x-1)}=2
lim[x→1](a√x+b)=0
a+b=0
b=-a
という変形は同値変形ではありません。具体的には1行目から2行目の変形が同値変形でないです(ほかは同値変形です)。この場合、下から上へ式を逆に辿ることができないです。lim[x→1](a√x+b)=0 だからといって lim[x→1]{(a√x+b)/(x-1)}=2 とは限りませんよね
つまり、この段階では
lim[x→1]{(a√x+b)/(x-1)}=2 ⇒ b=-a
は成り立ちますが
b=-a ⇒ lim[x→1]{(a√x+b)/(x-1)}=2
はまだ分かりません。なので、b=-a は必要条件だけど十分条件ではないと言えます。それが必要性のみの意味です
一方で、b=-a を極限の式に代入してからの式変形はすべて同値変形です。よって、
lim[x→1]{(a√x+b)/(x-1)}=2 ⇒ a=-b=4
はもちろん
a=-b=4 ⇒ lim[x→1]{(a√x+b)/(x-1)}=2
も成り立ちます。このことを十分性OKと表現しているのです
パッと思いつくのは
・恒等式を数値代入法で解くとき
・整数問題(不等式評価)
・軌跡の問題(制限がつくときがある)
あたりですかね
あとは方程式、不等式などで
・両辺を二乗する
・分母を払う
・logを外す
なんていう操作も実は同値変形ではないです。だから口酸っぱく分母≠0とか真数条件とか言われたりするわけです。ああいうのは全て十分性を確かめていたんですね
ここに挙げた以外にも、必要性のみ考えて議論を進めていく場面はけっこうあります。初めのうちは気付きづらいので、授業で「十分性を確かめる」などと言われたらそれまでの式変形が逆向きに辿れないことを自分でチェックすると力がついてくると思います

なるほど!
リミット計算以外に同値変形じゃないものはあるんですか?