-
» 245 | 246
例題 64 芳香族化合物の反応
化合物A(分子式Ci5H,2N203)をアルカリ水溶液で加熱し加水分解した。 反応
液を塩酸で酸性にすると, 化合物Bが沈殿した。この白色の沈殿物をろ過し ス
を水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にすると, 化合物Cが黄色の固体として沈認)
た。化合物BおよびCはともにベンゼンのパラニ置換体で,等しい物質量で得らあ
た。また,化合物Bは窒素原子を含まないが, 化合物Cは窒素原子を含む。化公編
Bは炭酸水素ナトリウム水溶液に溶けた。 また, 化合物Bは臭素 Br2 と1:1の物質
量比で反応し、付加生成物である化合物D(分子量 308)になった。
原子量H=1.0, C=12, N=14,0=16, Br=80
(1) 化合物Bの分子量を求めよ。
(2) 化合物AおよびDの構造式を書け。 鏡像異性体がある場合は、
右の例にならってすべて書け。
COOH
H…C
OH
CH。
Key Point
それぞれの反応に関係のある置換基を考えよう。
00
解法(1) 化合物B+ Br,
→化合物Dの付加反応より, 化
センサー
合物Bの分子量は, 308-160=148
加水分解される結合は2種
000
(2) 化合物Bは,NaHCO3 水溶液に溶け, また, 付加反応をす
ることから,カルボキシ基-COOH および不飽和結合 C-C
をもつパラニ置換体である。分子量が148であることを考慮
すると,かビニル安息香酸 CgHgO2 と決まる。
-COO-
-COOH
エステル結合
--OH
「-COOH
1-NH2
-CONH-
アミド結合
●弱塩基の遊離
R-NH3CI + NaOH
Hell
HO00
B
HO-C-
-CH=CH2
弱塩基の塩
強塩基
0
R-NH2
弱塩基
よって,化合物Aの加水分解は次式のように表される。
HO- 化合物A+ 水 一化合物B+ 化合物C
C15H12N203 + H20→ CgHgO2 + CgHeN2O2
化合物Cは, N原子を2つもち, 塩基性にすると黄色い固体
を生じることから, アミノ基-NHeとニトロ基-N02をもつ
p-ニトロアニリンと決まる。なお, 化合物Cはろ液中では埋
として存在するが, 強塩基の NaOH によって遊離する。
NaCI
強塩基の塩
+ H20
0N >NHCI + NaOH
- (V)A
- NH。 + NaCI+ H:0
ON
化合物C
0.01-00.81-o 00.1
化合物Dは不斉炭素原子をもち,鏡像異性体が存在する。
解答(1)148
Hoa ,a )
H
(2)A O.N
-CH=CH2
は紙面の手前側にある結
合,II は紙面の裏(奥)側へ
向かう結合を表す。
D
HO-C
HO-C
CH--Br
Br
C Br
182 第4部 有機化合物
CH--Br
=O