Senior High
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ママ③

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ノートテキスト

ページ1:

Summer Reading
~ママの預金口座〜
物語の舞台は, アメリカ合衆国のサンフランシスコ。
決して裕福ではない家庭の母親が、子どもたちを安心させるために取りつづ
けた行動とは・・・。
~シーン 8~
その年は小さな銀行からたくさんのものが出たことを覚えているわ。 クリスティ
ーンの学芸会の衣装でしょ、 ダグマーの手術、 あと私のガールスカウトの制服と
かね。でもね、町の銀行のお金のことを考えると私はいつも心地よく感じたわ。
~シーン 9~
パパの会社がうまくいかず働けなくなったときでも私たちはみんなで働いたの
よ。 その間ママはクルーパーのパン屋さんでお手伝いして売れ残ったパンをおっ
きな袋に入れて持って帰って来てくれたの。パパはカストロミルクショップで毎晩
ビンを洗ってたわ。お店の人たちがパパに3Lの新鮮な牛乳と古くなった牛乳を
全部くれたんだよ。ママがおいしいチーズを作ってくれたなあ。
~シーン 10~
パパがお仕事に戻ったときにね、 ママは誇らしげにあたりを見回して、にっこり
こう言ったの。「よし。ね?町の銀行になんか行かなくていいのよ。」
・・20年前のことだった・・・・
~ラストシーン~
去年、私は作家としてデビューし、初めて書いた物語を発売した。小切手が届
いたとき、私は急いでママのところへ行ってそれを渡した。 私は 「これはママに。
ママの預金口座に入れておいてね。」 と言った。 すると突然、 私は初めてあること
に気が付いた。ママとパパが年老いて見えたのだ。 「良かったわね。」と彼女は言
い、その目は誇らしげだった。 「明日さ、それを銀行に持っていってね。」 と私は彼
女に言った。ママは私を見た。 「口座なんてもってないよ。 今までの人生で銀行な
んて一度も行ったことないのよ。」と彼女は言った。 私は答えなかったし、答えるこ
とができないでいたとき、ママは真剣な面持ちでこう言った、「幼い子どもたちが
心配するのはよくないわ。 安心していなくちゃ。」と。
おしまい