簡単に確認しますと、クローニングの流れは、
1) 目的遺伝子のDNA断片とクローニング用プラスミドをリガーゼで繋ぐ。繋ぐ場所がマルチクローニングサイト。
注意点は、すべてのプラスミドが目的遺伝子と繋がるわけではないということです。かなりの割合で、目的遺伝子が入らないまま閉じて空のプラスミドができます(セルフ・ライゲーション)。
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2) プラスミドを大腸菌に入れる
このときの注意点は、プラスミドは一部の大腸菌にしか入らないということです。
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3) X-galと選択用抗生物質(アンピシリンやカナマイシンが一般的)が含まれる寒天培地上で大腸菌を育てる。白いコロニーの大腸菌には、目的遺伝子と繋がったプラスミドが入っている可能性が高い。
例として、添付したpGEM-T Easyというクローニング用のプラスミドの地図を見ながら説明します。
(a) Amp^rと書かれているのは「アンピシリン」という薬剤に耐性を持たせる遺伝子です。ステップの2で、プラスミドが入った大腸菌だけがアンピシリンを含む培地上で増えることができます。
もし薬剤セレクションをしない場合、ステップ3の青白判定で、プラスミドを持たないから白いのか、目的遺伝子と繋がったプラスミドを持っているから白いのか、判断できません。
(b) β-ガラクトシダーゼをコードしているLacZ遺伝子の途中にマルチクローニングサイトがあります。図でいうと、EcoR1とSpe1の間の隙間です。ステップ1で、そこに、リガーゼを使って目的遺伝子(インスリン)を繋ぐことになります。もし目的遺伝子が入らないままプラスミドの輪が閉じてしまった場合(セルフ・ライゲーション)、LacZ遺伝子は壊れずにβ-ガラクトシダーゼが発現しますので、ステップ3の段階でX-galが分解されてコロニーが青くなります。
逆に目的遺伝子が入っているとLacZ遺伝子は壊れてしまいますので、β-ガラクトシダーゼは作られず、ステップ3の段階でX-galが分解されないため、コロニーは白いままになります。
整理すると、
- 薬剤耐性遺伝子は、プラスミドを持つ大腸菌を選ぶため
- LacZ遺伝子は青白セレクションのためで、その中のマルチクローニングサイトに目的遺伝子が入っているとコロニーは白くなる
ということになります。
