の基本法則」,
応用問題 01
万肥伝界」
(1) (a) (x-1)(x'+x+x'+x+x'+x'+x+1) を展開せよ.
(b)(a)を利用して, K=37+3°+3+3+3+32+3' + 1 の値を求めよ.
(2) N=33.72 の正の約数の個数と,その総和を求めよ.
解答
(1) (a)(x-1)(x'+x+x'+x+x'+x'+x+1)
=x³+x²+x+x³+x²+x³+x²+x−x²-x-x³-x¹−x³-x²-x-1
=x-1.
(b) (a)の結果
(x-1)(x'+x+x+x+x+x2+x+1)=x-1
に x=3 を代入すると, (3-1) K =3°-1 を得る. よって,
である.
K =
3°-1 6560
=
=3280
3-1
2
(2)N =33.72 は Nの素因数分解なので,Nの正の約数は37(ただし,iは0,1
2,3のいずれか, jは 0,1,2のいずれか)の形の自然数である : ただし, 3°や7
は1とする. よって, Nの正の約数の個数は (i, j) の選び方の総数 4×3=12で
ある.また, Nの正の約数は 「3°, 31, 32, 33 のうちから1つ, 7,772 のうちか
,
ら1つを選びかけ合わせたもの」であるから,そのすべてをたし合わせたものは,
展開の基本法則より
(3°+3'+32 +3) (7°+7'+7 )
1
に等しい.この値は(1+3+9+27)(1+7+49)=40-57=2280 で,これがNの正の
約数の総和である.
解説
展開の基本法則が,(1)(b)や(2)のような,文字式の計算と一見無関係そうな問題の解
決に役立つのは,はじめてみる人には意外でしょう.しかし,これはよくあることで
す。それだけ,加法と乗法は基本的な演算であって,数学を根底から支えているとい
うことなのです.
(1)もし(a)を,素朴な分配法則だけを用いて計算すると,手間が大変です.しかし,
展開の基本法則をイメージして, 1つ目のカッコから2択,2つ目のカッコから8
択,だから項が 2×8=16 [個〕 生じる,と見通しを立てて一気に計算してしまえ
ば,暗算も十分可能です.なお,この結果は次のように一般化することができます:
nを自然数として,
(x-1)(xn-1+xn-2+…+x+x+1)=x"-1.
次に, (a)の結果に x=3 を代入すれば, 一瞬で(b)が解決します. このように, 多
項式に関する結果に対して, そこにある文字に適当な値を代入して, ほしい情報を
得ることは,数学の大事なテクニックの一つです. これから先もいろいろなところ
で,実例をみることでしょう.
なお, (b) のKのようなものは,数学B で “等比数列の和” として登場し、その値の
求め方も改めて学びます。 そのときは,ここでの説明と違う方法が使われるで
しょうが,ここに述べた, 多項式の等式を用いる方法もよいものなので、ぜひ身に
つけてほしいです.
(2)「3°や7°は1とする」という規約は数学Ⅰの教科書には説明されていないことな
のですが,それさえ納得してもらえれば、この解答に理解しにくいところはないと
思います.しかし,こんなうまい発想は,一度も習ったことがないと,なかなか頭
に浮かぶものではないでしょう.
まず,Nの正の約数が ただし は 0,1,2,3のいずれか, jは 0,1,2
のいずれか)という式によりすべて表されていることを把握します.iが4通り,j
が3通りの可能性があるので, (i, j)としては4×3=12 〔通り〕があり得ます.
これはわかりやすいのですが, 次が問題ですね. 3′ 7' を 3'と'の積だとみなす
のがポイントです. すべての積がそろえば,その和は,展開の基本法則を用いて簡
単に求められます実はここでは, 「展開」 の逆の操作, 「因数分解」 をしている
のですが, 気づきましたか? 12個の3′・7たちの総和が,
(3°+3' +32 +3) (7°+7 +72) 因数分解されたのです.
このように,式の計算やそこに現れる計算の公式は,単に「計算をラクにする」
だけではなく,「数学の推論を進める」, 「隠された数学の構造を発見する」 働きがあ
るのです. みなさんがこれから数学を真剣に学んでいけば,よく知っていたはずの
ごく易しそうな公式 (「展開の基本法則」 のような!)が,ものすごいパワーを発揮
して、目の前の霧を一瞬にして払ってしまう, そんな現場に何度も立ち会うはずで
す。 ぜひ, 楽しみにして, 基本的なことからゆっくり学んでください.