大江山(古今著聞集)
二年()組(
番
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和泉式部、保昌が妻にて、丹後に下りけるほどに、京に歌合ありけるに、小式部内侍、歌詠みに
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とられて詠みけるを、定頼の中納言、戯れに小式部内侍に、「丹後へ遣はしける人は、参りにたり
や。」と言ひ入れて、局の前を通られけるを、小式部内侍、御簾より半ば出でて、直衣の袖をひかへ
て、大江山いくのの道の遠ければまだふみもみず天橋立 と詠みかけけり。
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⑧
思はずにあさましくて、「こはいかに。」とばかり言ひて、返しにも及ばず、袖を引き放ちて逃げ
られにけり。
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小式部、これより歌詠みの世覚え出で来にけり。
【文法事項】
① 連体格の格助詞
②