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B 2019年 名古屋大学
真核細胞の細胞分裂は、細胞周期と呼ばれる一連の秩序だった過程を経て行われる。 通常の体細胞分裂の
細胞周期は G1期 S期 G2期 M期の4つの時期からなり、これら4つの時期が秩序だって進行している。
DNAの複製は特定の時期にのみ起こり、他の時期には起こらない。これを調節するしくみがどのようなもの
かを考えるため、ある動物の体細胞の集団を用いて実験を行った。この細胞集団は、同じ細胞周期の長さ(時
間)で活発に細胞分裂を行っているが,個々の細胞の細胞周期の時期はばらばらであり、さまざまな時期の細
胞を含んでいる。そこでまず, 細胞を G1期 S期, G2期 M期に分けて集めた。 次に、 G1期, S期または
G2期のいずれかの2つの細胞を融合させて、1つの細胞に2つの核をもつ細胞を作った。融合後の細胞を培
養し、融合した直後から経時的に2つの核のDNA複製を調べたところ、 図1のようになった。
G
融合前
融合直後
G₁
S
G₁
数時間後
2つのG1期の核は細
胞が融合して数時間後
に、同じタイミングで
DNA 複製を開始した。
S期の核は DNA 複製
を続けた。G期の核は
細胞が融合してすぐに
DNA 複製を開始した。
図1 細胞融合の実験
S
G2
S期の核は DNA 複製
を続けた。 G2期の核で
DNA 複製は起こらな
かった。
問1 真核細胞にはゲノムDNA の複製を開始させる因子が存在し, それによって DNA 複製が調節されるこ
とが知られている。 図1の実験結果をふまえ, DNA 複製の調節について説明する以下のア~オの文章の
うち適切なものを2つ選び、記号で答えよ。
ア G1期に DNA 複製が起こらないのは, DNA 複製を開始させる因子は存在するが, 核 DNA 複製
の準備ができていないためである。
イ S期に DNA 複製が起こるのは, S期になるとDNA 複製を開始させる因子が細胞質に現れ、 これが
核に作用して DNA 複製を開始させるためである。
ウS期にDNA 複製が起こるのは, S期になると DNA 複製を開始させる因子が核に現れ,これが核に
とどまって DNA 複製を開始させるためである。
G2期にDNA 複製が起こらないのは,核でDNA 複製の準備はできているが, DNA 複製を開始さ
せる因子がないためである。
オ G2期に DNA 複製が起こらないのは,核で DNA 複製を開始させる因子が作用できないようになっ
ているためである。